台風13号八重山襲う

台風13号八重山襲う

 今回の台風13号は、接近当初は2006年を思い出す恐怖の台風でしたが、過ぎてしまえば大きく騒ぐほどの台風ではなかった模様。ただ、全国で騒いでくれて、石垣島の人は困惑気味。本土マスコミに連動して、体制づくりに力を入れる地元の行政・関係機関も、やれやれといったところ。
 昨年の8号などは、めまいがするほど大きかったが台湾へ逸れた。しかし何の報道もなく、東京には台湾の被害報道はしても、沖縄にはない。その後の12号、15号も多大な被害にも、今回ほどの騒ぎはない。本土の冷たさを感じたものだった。台風への構えは全国共通にしたいもの。本土に向かいそうな台風は、力の入れ方が違うと言うことかと・・・思いたくないものだ。本来、台風は去ってみなければどういう規模かはわからない。思いの外、地元には被害微少で、「逸れてくれてありが台」風です。
 さて9月14日、12時現在、台風13号の影響で海路空路がまだ動いていません。離島の海路は14日全便欠航が決まっています。JTA・RACは、条件付きで受け付け作業を実施。まだ強風があるために、午前の便は全便欠航。午後には風もおさまり、飛びそうな気配が充分あります。台風の行方は偏西風に乗りだして、東へ展開する可能性が生まれており、石垣島では西の返し風が来るはずが、気がつくと東風で、何か不穏な気持ちが走ります。台風はどんな動きをするか、一寸先は闇です。去った台風が引き返してきたことも実際あるのですから。空路は各社臨時便で対応して、乗客を捌く予定で、急いで島を離れる人は航空各社の案内を逃さないことです。台風の進路は、その後変更。今は北上の予報に切り替わっています。
 現在、970ヘクトパスカルで台湾の北部にある台風13号は、中心風速が35m、瞬間最大風速は50mと、10日頃の強い台風に戻っています。八重山支庁のとりまとめによると、人的被害は死者ゼロ、行方不明ゼロ、重傷者1人。20代の男性が、ドアに指を挟まれて左手の指を切断。八重山病院に運ばれた(12日午後6時40分頃)。今は帰宅。軽傷者は1人。40代男性が風にあおられて転倒。左足首をねんざ(12日午後7時20分頃)。
 土砂災害は西表島の白浜の旧道8カ所で土砂崩れ。石垣島の於茂登岳トンネル10m手前で土砂崩れ。(県の発表にないが、野底林道で2カ所・3カ所以上で土砂崩れ。)道路冠水が川平と真栄里で発生。路上に貯水タンクが転がったのは登野城で一件。倒木は、腐った木やヤシなどの根の弱いものから見られる。与那国では床上浸水7件、床下浸水9件。自主避難した家が3市町にあった。14日7時現在での停電は2900世帯。回旋不通が80回線。断水はゼロ。
 なお、これまで見た限り車の転倒もゼロ。大きな構築物が風に飛ばされたり、船が沈没したりといった大きな被害は今回の台風では、なかった模様。県内一番の記録的な雨量が注目されたが、土砂災害警報第一号の発令であっても、なんとも定番の排水溝詰まりの冠水と何度も工事している土砂崩れ現場や旧道でのこと。心から直撃がなかったことを、祝いたい思いだ。14時、石垣空港で航空機が運行開始しました。石垣市観光協会の八重山観光台風時対策委員会が空港でお茶と菓子のサービスを実施。空港の外に500人以上があふれて、サービスもあっという間に終了した模様。満足な旅とならなかったムキには申し訳なく感じる空港風景が広がりました。
 (写真は、全日空が台風の混乱に原因不明のシステムダウンが重なり、長蛇の列に拍車をかけているところ。)

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