離島切り捨てが始まっています。8月29日午後1時30分から八重山支庁大会堂で「支庁組織の再編についての説明会」がおこなわれ、総務部総務統括監の杉浦友平氏が挨拶に立ち、県の行財政改革の現状を説明。年間200億円以上の収支不足が発生しており、改革の必要性を強調。合理化を追求して業務のスピードアップを図り、サービスの低下に陥らないよう、再編をすることが述べられていました。
このあと、支庁組織の具体的な再編内容と、これまでの経緯および懸念事項を説明。スピーディーな対応ができる体制を整える目的で実施することが述べられていました。またこの取り組みの背景にある地方分権の進展をあげて、これまで「国」と「地方自治体」だったものを「中央政府」と「地方政府」として、「市町村」を「基礎地方政府」として、都道府県は「広域地方政府」とすること。中央政府と、地方政府が対等・協力関係になること。また既成の役割分担を見直して効率的な行財政システムを構築することなど、背景にある大きな流れを説明。また沖縄県は、行財政改革が待ったなしの状況で、このままでは自主財源の増加が期待できず4年間で1260億円の収支不足が予測されています。
この厳しい状況をふまえて、改編内容を紹介。総務・観光振興課は「八重山事務所」として統合。長には、統括監レベルを抜擢して、1億5000万まで予算執行ができる形を示し、機能強化の構えを説明。ただ、八重山支庁のポストはなくなり、土木建築課、新石垣空港建設課、農林水産調整監、福祉保健所を本庁の各部の所属にとりまとめ、個別出先機関で構成される縦割りに改編されることが示されました。
この日は、災害対策本部八重山地方本部の組織も改変されたものが紹介され、これまで同様に連携して災害時に取り組むことを確認。質疑応答では、「観光振興」の名が消えてしまっていいのか。歴史持つ「八重山支庁」の名が消えてしまう寂しさも言われていました。また今回の改編で9名の削減と約5000万円が節約されることになるとのこと。それだけで済むとも思えない。始まるものがはじまったといえそうです。
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