吉原マンション景観訴訟で第2回報告会

吉原マンション景観訴訟で第2回報告会

 6月5日午後4時から石垣市健康福祉センターで吉原マンション景観訴訟の原告代表、川上博久氏と井口博弁護士が吉原マンション景観訴訟で経過報告を実施。この報告会は、島の未来を考える島民会議が主催しておこなわれたもの。16名の参加者が、熱心に報告に耳を傾けていました。事業者側の建築の意志があるのかないのか。公判によって、どういう影響があるのかないのか。そこを互いに探りながらの公判となっている模様。 さて、この裁判は、建築確認次元での差し止め訴訟が可能となって、はじめてできてきたもの。建築確認処分の差し止め訴訟に関しては、原告が適格であるか否かが問われてきます。そこで、石垣市における風景条例などの景観法が絡んでくるケースに、司法がどのような裁定を下すか。いわば、新たな市民の側の条例をどう司法は位置づけるか。歴史的な焦点になりますが、まだはじまったばかり。これまで開発側が有利となりがちだった自然と開発の関係。地球環境の温暖化や環境保全が言われる時流に、景観を重視する市民の条例が、これまでの乱開発可能な流れをいかに制御できていくか。可能かが焦点。これまで開発側が長い訴訟で時間をロスする間に建設事態が済んでしまうケースを無くす意味でも、この建築確認次元の訴訟は、注目されています。ワープロの普及やデータのデジタル化がもっとも遅かった司法において、果たしてどこまで時流に耐えられる公判を見せられるか。見ものの裁判は、17日に5回目を迎えます。元来、日本の様々な混乱は、政府によるばかりでなく、実のところ司法の怠慢もあります。形式主義で、判例依存主義がいわば事なかれ主義。現実を見ない暮らしをする司法者による誤審が、司法改革の原点。事実認定能力に疑問があるから始まった話。さて逆に、開発側も目を離せない裁判です。隣人への配慮だけでなく、景観への配慮、自然保護の配慮を怠る開発ができないという当たり前の事態が生まれようとしています。一方、不動産景気が収束の方向にある石垣島で、島の将来に無関心な便乗開発者に対しては、市民の監視の目が光ることを・・・期待したいところ。

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