昨年11月1日におこなわれた県立図書館八重山分館の廃止に伴う地域説明会は、あまりに突然な話で、TVの民放が流れて15年ほどしかたたない八重山では、活字離れは那覇ほどでもなく違和感は高いモノがあります。同分館の廃止に意義を唱える人々が実行委員会を組織して、このほど集会を実施。5月17日午後1時半から石垣市立図書館視聴覚室で「県立図書館八重山分館の存続を求める集会」が開かれました。約80名を越える市民が集まっての集会は、県立図書館八重山分館の廃止がと突然に話が連絡されたいきさつ説明や、出席者が意見を話し合うなど、熱心に話し合いが行われていました。まずこの日、石垣市文庫連絡協議会の潮平俊氏が基調報告を実施。昨年11月1日におこなわれた分館廃止に伴う地域説明会のときの資料を通して、県が何をしようとしているかを説明。県は平成18年3月の県行財政改革プラン策定から、公の施設の管理のあり方を見直す取り組みが進めており、すべてがそこから発している模様。県が出す廃止後の図書処分の対応策などを潮平氏は説明。このあと公立図書館のない竹富町の西表島で、住民たちでつくる「やまねこ文庫」の竹盛由紀子さんや、八重山文化研究会の石垣博孝氏、石垣市図書館連絡協議会の上江洲儀正氏、元分館長の砂川哲雄氏ら4人のパネリストによる意見が述べられました。竹盛さんは、図書館のない西表島で文庫活動をしていて八重山分館の存在は大きなモノがあると述べ、分館の重要性を述べていました。質疑にはいると、集まった市民から「離島への差別ではないか」「これは何か仕組まれているのではないか」「竹富町・与那国町への図書貸し出しの不便さが増す事態を、財政難を理由に行政が強行するのを、黙って見ていていいものか」と、県の姿勢をいぶかる声が続出。財政難を理由に、離島を切り捨てているように見えるとの指摘も会場から出て、今年9月におこなわれる県教育委員会の会合で正式決定となることから、それに向け、できることがあるはずと、まだ望みがあることを確認していました。参加者の中には、県財政の優先順位をどこへもっていくか提示できるかという、具体的な提案話が出たほかには、概ね県財政の逼迫を理由にした、一方的な離島における教育環境を削ぐ傾向を強く批判していました。最後には、分館の存続を求める決議が読み上げられ、満場の拍手で了承されていました。決議文は、県知事、県議長、県教育長、県教育委員会委員長などに送付されます。