1月11日午前9時に底地ビーチの駐車場に集まったのは、八重山ダイビング協会のメンバー約50名。前日の10日に川平石崎にあるダイビングポイントのメッカとも言えるマンタポイントで八重山ダイビング協会川平支部の19名のダイバーがオニヒトデの駆除を実施。なんと369匹という数のオニヒトデが上がり、これは一大事と八重山ダイビング協会が動いたもの。10日夕方の連絡にかかわらず50名が参加。北風になると船が出せなくなるために、この日の天候でやらなければ、あといつにできるかわかりません。この時期、ダイビングは比較的シーズンオフであれば、ダイビングショップは各ショップで出動準備に時間がかかることを考えると、この50名の集結は意外。やはり、川平石崎のマンタポイントが、ダイバーにとって特別な場所であることがよくわかります。いわば、ドル箱のポイント。全国で1位のダイビングポイントに選ばれる石垣島では、マンタが現れるもっとも定番のポイントがそこ。最重要スポットです。ここにマンタがやってくるのは、ホンソメワケベラに寄生虫を食ってもらうために出没するポイントで、マンタにとってもクリニック。その場所のサンゴが喰われて、生態系が変わり、ホンソメワケベラがいなくなれば、マンタも来なくなる。それでは大変です。一行は、小型の船から大型の船に取り移りつつ、2艇に別れて出発です。川平石崎に到着すると、駆除棒と白い袋を手に次々に海に入ります。オニヒトデは昼間にはサンゴの裏側にいるために、ダイバーは慎重に裏をのぞき込んで駆除棒で掻き出します。オニヒトデは触れると毒で皮膚が腫れるために、慎重に袋に入れなければならず、水中で、バランスをとりながら駆除するのは至難です。ところが、八重山のダイバーはここ5年間、オニヒトデ駆除に取り組んできており、難なく駆除してゆきます。一人2つのタンクをつかって、2ダイブ。空気タンクも装備もすべて自腹での参加で、ダイバー達は熱心に駆除作業をしていました。最初のポイントは、昨日の駆除場所。予想よりは少なめ、2つめのポイントでは、一カ所で何匹も発見。続々発見できました。かくして、午前中で獲れたオニヒトデは、1594匹。駐車場に並べられて、そのサイズの小ささと多さが、はっきりわかります。オニヒトデの大発生というだけでは、26年前の大発生の時と同じですが、今回は、まだサイズは小さく、産卵する4月までに、なんとかすれば、可能性はある。そう、祈りたい気持ちのダイバーたちの気持ちが、熱く伝わる大量動員の駆除作業でした。『オニヒトデ駆除』の動画はこちら