切り捨ての理由とは何

切り捨ての理由とは何

 県の財政難から沖縄県行財政改革プランが策定され、公の施設の管理のあり方の見直しがおこなわれていること。また、効率的な行政運営をするべく、分館の機能と予算、人材を本館に移行し、県内で公立図書館がまだ設置されていない町村支援を行う。また、県立図書館の管理運営費は平成17年度から19年度の3年間で約2500万の減となって(17%減)、県の厳しい財政状況の中、予算編成方針が定められ、今後も予算編成はこの方針で編成されることが想定されることから、平成20年度以降、管理運営費の確保が大変難しい状況になること。また、分館での貸し出し冊数が石垣市立図書館に比べてかなり少ないこと(5%)。また、全国で県立図書館分館が設置されているのは1都1府9県で、しかも2館は埼玉、東京、千葉、沖縄となっており、沖縄以外は大都市であること。これらの理由で、分館が廃止になることが説明されていました。県立図書館分館は、平成21年3月末日をもって廃止となり、廃止後1年間は財産処分のための人数が当てられ、処分作業がおこなわれるとのこと。ひととおり説明があったあとは質疑に移り、説明会参加者は、最初から分館廃止が決まって説明会に、失望の色が隠せません。しかし、説明会に集まった多くの人は、重い雰囲気の中、廃止が決まったあとの説明会のあり方へ疑問意見を述べていました。離島から参加した人は、「離島には本屋さんもないので、分館が実施している移動図書館は母子でゆっくり本が選べて、離島の人はとてもよろこんでくれます。離島にいる者には、県立図書館分館は続けてほしい。」と、述べていました。また、「一括貸し出しの目録のフロッピーを出力して230枚もありました。その中から、どれが絵本か分からない中で選ぶことになる。」「本館は分館がやっていた文化事業を離島へ向けてやってくれるのか。」と、本館が離島の実情を踏まえてどの程度やってくれるか不安に感じる声が出ていました。不信感がにじみ出る離島での機構整理は、試行錯誤・創意工夫の跡も感じらず、大都市論理の単純な押しつけに見えます。

この記事をシェアする