ベトナム戦争が生んだ国立公園の危機

ベトナム戦争が生んだ国立公園の危機

 シロアゴガエルのオタマジャクシは、目の位置が左右に広く開いており、頭の先には白い斑点があります。今後、残る繁殖水場での管理に取り組んでいく予定です。シロアゴガエルは、アオガエル科の一種で在来のヤエヤマアオガエルと同様の卵を産むため、間違われやすいのですが、ヤエヤマアオガエルの繁殖は12月から3月。シロアゴガエルの繁殖は、4月から10月の期間で、ずれており、まもなく「ぎぃー」という鳴き声は聞かれなくなります。水道水よりも薄いカルキ水にオタマジャクシが浮いてくる様は、なんとも恐ろしい話。一度殺菌した水を呑むから現代人は蟯虫などの寄生虫から開放されています。人体は健康のため、すでに自然から少し離れていることを実感します。もし見慣れないカエルが出没した場合は、連絡をと環境省は述べています。発見される水辺があれば、早い段階での対処が必要であり、環境省は広く情報を求めています。さてそもそも米軍が沖縄本島に持ち込んでしまったシロアゴガエル。その時期が60年代から70年代。そう、ベトナム戦争で米軍機がベトナムと沖縄を行き来していた時期です。いわばベトナム戦争の落とし物。これが日本の最南端の国立公園へ波及してきたことになります。米軍機が八重山の空港を使ってもらっては困る大きな理由のひとつになります。石垣西表国立公園へのシロアゴガエルの侵入は現時点できっちり防がなければ、国立公園の将来は暗いといえます。(写真は、波照間島に着陸を強行した米軍のヘリコプター)

この記事をシェアする