第51回 名蔵アンパルの動植物たちシリーズ(16)アンパルの野鳥たち(2)

第51回 名蔵アンパルの動植物たちシリーズ(16)アンパルの野鳥たち(2)
第51回 名蔵アンパルの動植物たちシリーズ(16)アンパルの野鳥たち(2)
第51回 名蔵アンパルの動植物たちシリーズ(16)アンパルの野鳥たち(2)

干潟に飛来する代表的な渡り鳥にシギ・チドリの仲間がいます。比較的小型の種類が多く、色彩が地味なため種類の区別がつきにくく、近くにいても気付く人は少ないようです。しかしこの小さな鳥たちは、毎年地球を南北に縦断する旅をしています。春と秋に各地の干潟に立ち寄り、休息と栄養補給をしながら10000㎞以上もの距離を移動していることを知れば、心を寄せてくれる人も増えるのではないでしょうか(アカショウビンやサシバはせいぜい4000㎞)。私たちのアンパルも、地球規模で旅をするシギ・チドリ類たちが羽を休める重要な場所の一つとして、2005年にラムサール条約に登録されました。湿地や干潟という命綱をたどって移動するシギ・チドリ類が将来的に露頭に迷うことがないよう、島人の責任として、世界共有の財産となったアンパルの利用や保全に心しておきたいところです。今回はそんな小さな旅行者、シギ・チドリ類(俗称シギチ)の紹介です。

●コチドリ(写真1)
 アンパル周辺の水田地帯などで見られます。スズメほどの大きさで、ちょこちょこと歩きながら餌を採っています。よく美崎町あたりでふらついている人の足取りのことを「千鳥足」などと言いますが、実際のチドリのフットワークはキレのあるジグザグウォークです。

●アオアシシギ(写真2)
 大きさはキジバトくらいですが体型はスラリとしています。遠目には白色が目立ち、水辺に立つ姿は上品な雰囲気です。アンパルでは盛夏を過ぎた頃から目立ち始め、哀愁を帯びた声で鳴きます。

●セイタカシギ(写真3)
 アオアシシギと同じくらいの大きさですが、足が長く赤味があり特徴的です。アンパルでは浦田原排水路などの比較的水位が高い場所に小さな群れでいることが多く、繊細なくちばしで餌を捕らえます。

佐野 清貴

この記事をシェアする