施主はダイビングクリエイターとして、世界中の海を案内する仕事をしている安倍力さん。20年ほど前から八重山に通い始め、その頃からいつかは海の近くに家を建てたいと思っていたそうだ。今の場所はたまたまインターネットで見つけた物件で、近所には商店や郵便局、中学校もあり、防風林もしっかりしていた。なによりここから海へと続く道が、安倍さん夫婦のイメージとぴったりだったそうだ。
安倍さんの自宅の隣には宿泊施設も併設されており、7月1日には『ゲストハウスアンシー』として宿もオープンした。「これまで僕たちを支えてくれていたお客さんが高齢化してきて、ダイビングをするよりは宿でゆっくり過ごしたいという方が増えてきたんです。それでお客さんの子どもや孫までも一緒にくつろげるようなゲストハウスを始めることにしました」と力さん。イメージはハワイの片田舎にあるような宿。自分たちの予算に合う建築業者を探していたときに出会ったのが、ツーバイフォー工法※で実績のある信用組だったという。ツーバイフォー工法の魅力は費用を抑えることができ、工期も短くて済むこと。安倍さん夫婦は「壁面の色の変更や、天井を高くしてほしいという私たちのわがままも快く引き受けてくれたんですよ」と感謝する。
新しい家に住み始める前は、野底でアパート暮らしをしていたという安倍さん家族。ずっと狭い部屋で生活していたからか、引っ越してきた当初娘の優希さんは、居場所がなくどうしたらいいかわからない様子だったと笑う。
「家づくりは難しいですね」と話すのは奥さんの則子さん。「やりたいことを実現しようと思ったら、なにか別のことを我慢しなければいけない。そんな中、私たちは建築業者の方々と相談しながら、優先させたいポイントを実現させていくことができたのでよかった」と、家づくりにおいて、お互いの信頼関係が大切だと話してくれた。