まもなく創立60周年を迎える名蔵小中学校。石垣島製糖のすぐ近く、周囲をサトウキビ畑に囲まれた学校に全校生徒50名(小学生34名、中学生16名)が通う。今年度は小学校の3・4年生と、5・6年生が複式学級。体育館の入口に掲げられた校訓の「開拓魂(自主・創造・協力・根性)」は、沖縄本島、宮古、台湾などからの入植に始まり、今でもサトウキビやパイン、マンゴーなどの農作物の栽培が盛んなこの地域の学校ならでは。校内にたくさん植えられた木々がつくる木陰と、広々とした校庭の芝生が眩しい。
4校時の終わりのチャイムが鳴って給食の時間。エプロンを着けた子どもたちがいっせいに教室から出てきた。配膳用の重たい食缶も数名がかりで教室まで運び、全員で協力して給食の準備をする。机も動かして、みんなで顔を合わせて食べる給食は、いろんな話が飛び出してとても楽しそう。
市内18の小中学校の給食は、この新学期から名蔵小中学校にほど近いバンナ公園北口前の新しい学校給食センターで作られている。おかずの品数も昨年度までより増えて、成長期の子どもたちを支えるため献立の充実が図られている。食器やお皿なども一新。食缶も保温性のあるものに変わり、給食に温かいご飯も出せるようになった。子どもたちからも「温かくて美味しい」との声が。次はどんな給食を食べたいか尋ねると、ラーメンやトンカツ、カツカレー、揚げパンなどさまざまな声が出た。
休み時間、校内は子どもたちの声でとても賑やか。みんな元気いっぱい。上級生と下級生が一緒になって遊ぶ姿も見える。同じ敷地内に幼・小・中学校と揃うのは、市内でも名蔵小中と川平小中だけ。
「少人数ゆえの不便もあるが、幼小中分け隔てなく生徒同士もみんな仲良し。まるで大きな家族のよう」と石垣俊子校長先生は話す。