コッカーリィぬ口(ふちぃ)洗(あーら)い雨(あーみ)〈四カ字〉

陽春、南方から渡ってくるリュウキュウアカショウビンは、春を告げる夏鳥として知られる。大きな嘴と全身真赤な出で立ちは可愛らしく親しみやすい。その印象深い鳴き声からコッカーリィ(四カ字)、ゴッカル(鳩間)、ホッカル(竹富)等と呼ばれる。
「コッカーリィぬ口洗い雨」という瑞々しい表現は、コッカーリィが鳴きだす前に、三、四日降り続ける雨のことを指す。つまり、コッカーリィはこの雨で口を洗い清めて鳴きだすのだという。
鳩間島では「ゴッカルぬ鳴(な)くかー亀(かみ)ぬ卵(こーま)なすん」(アカショウビンが鳴くと亀が産卵する)というし、竹富島では貝類のイトマキボラは、ホッカルーが鳴く頃よく採れるので「ホッカルミナー」と呼称される。
このような言葉からもウリィズンの自然界が生気づき連動していることがわかる。この連鎖は最終的に「陽春(うりぃじぃん)や死馬(しぃんんま)ぬ骨(ぷに)ん動(うぐ)ん」(陽春には死に馬の骨も動く)〈四カ字〉という比喩に辿り着きそうだ。

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