今年4月に本格運用がスタートする石垣市の新学校給食センター。敷地面積は現在の約3倍になり、これまでにはなかった新しい調理機器も導入されるなど、石垣市の学校給食が新しくなる。そんな完成間際の新施設を取材した。
ホテル日航八重山の北西に位置する現在の場所から、バンナ公園北口付近に移転する新給食センター。1日あたりの最大調理能力は6千食で、市街地周辺の小中学校のほか、白保小、白保中、川原小、大本小、名蔵小中など計18校に給食を配達する。学校給食は、完成してから学校まで30分で配達しなければならず、移転することで市街地から遠くなることから、配送車も現在保有している4台から5台に増える予定だ。
また新しい調理場は、これまでのウェット方式からドライ方式に変わる。ウェット方式は常に床が水で濡れている状態を保つ方法で、細菌の増殖に繋がりやすかったり職員が転倒したりする危険があるが、ドライ方式は常に床を乾いた状態に保つため、厨房内の温度や湿度を低く保つことができ、より衛生的になる。また調理場を含め全室にエアコンが導入されるため、特に夏場の作業環境も格段によくなるという。
変わるのは施設だけでなく、食器や調理機器も新しくなる。特にこれまでになかった「スチームコンベクションオーブン」の導入は職員の中でも期待が大きい。というのもこれまで石垣市は、学校給食の基本となる、主食、主菜、副菜、汁のうち、副菜を提供することができなかった。しかしオーブンが導入されることによって副菜を作ることができるようになり、例えばグラタンや焼き魚、新鮮な野菜を使った和え物も提供できるようになるという。子どもたちの中にも「給食センターが新しくなることでおかずがもう一品増える!」と楽しみにしている子は多いそうだ。そんな中3月17日には、実際に日々提供する量と同じ5100食を調理・配送するリハーサルを行う予定だ。新学期を迎える4月から、いよいよ新しい給食センターで作る学校給食が始まる。