石垣市立 富野小中学校
1952年2月に川平小中学校富野分校として開校。全校生徒19名。歩いていけるほど身近な海岸にはサンゴ礁が広がり、コーラルウォッチ(環境学習)に力を入れている。今年度創立60周年を迎えた。
今年度創立60周年を迎えた富野小中学校。現在小学生11人と中学生8人が通うこの学校では、昨年開かれた60周年記念の学習発表会で、近年この地域で途絶えていた伝統芸能を復活させた。
「この地域には調べてみたらすごい歴史があることがわかったんです」。そう話すのは富野小中学校の西村友三郎校長。特色ある学校づくりと言われる近年、まずは地域を知らないと特色ある学校づくりはできないと考えていた西村校長は、地域の歴史を掘り起こしていくうちに、校区の桴海の名がついた芸能がいくつかあることがわかったという。
富野小中学校では、創立以来、伝統ある桴海村の芸能と読谷村のエイサーなどを学校行事に取り入れ演じてきたが、創立50周年以来途絶えてきた。このままでは地域の伝統芸能が消滅してしまうと、富野・米原・桴海村の歴史調べを学習に取り入れ、伝統芸能を掘り起こし、学習発表会で披露することにしたという。「学習発表会を通して、地域のみなさんも地域の歴史を再認識していただきました。これを機会に伝統芸能保存会のようなものをつくり、継承していければと思っています」。今年定年を迎える西村校長だが、これからも伝統を守って行くために様々な提言していきたい話す。
学習発表会では、中学生男子は『波平棒(ハンジャボウ)』、中学生女子は『桴海口説』を披露した。現在では教える人も少なくなったため、昔のビデオを見ながら夜に公民館で毎日練習を重ねたという。生徒会長の真榮里昌幸くん(中3)は「最初はあまり乗り気じゃなかったけど、練習をしていくうちにどうせやるなら格好良くやりたいと思った。昔からある文化なので、これから僕たちが伝えていきたい」と伝統を受け継いでいく意欲を見せた。