10月5日から7日の3日間、西表島の祖納、干立で節祭(シチ)が古式ゆかしく行われた。中日は、ユークイ(世乞い)といわれ、浜での芸能などが披露され、島外からも多くの人が見学に訪れる。節祭は、五穀豊穣への感謝と祈願を行うもので、500年の歴史があるといわれ、祖納、干立とも、国指定重要無形民俗文化財に指定されている。
6日祖納では、10時前から前泊浜で舟浮かべの儀式ではじまった。一番旗を先頭に男性たちによるヤフヌ手が行われ、ミリク行列、アンガー行列、船漕ぎをするフニクイ、男性たちによる狂言や棒芸、舞踊、獅子舞と次々と繰り広げられた。中でも祖納では、フダチミと呼ばれる、黒朝衣をまとったふたりを先頭にしたアンガー行列が名物となっている。フニクイは、男性たちが紅白の組にわかれ、沖のまるま盆山をまわって競漕する。祖納では、ミリクの面は数え49歳の男性がかぶるのが慣わしになっている。出身者や郷友の人たちが島に戻り、年に数回集落が賑やかになる時。10月とはいえ、まだきつい日差しの中、多くの人に見守られながら行事が進められていった。
お昼近くになると、出番の合間にさっと食事をする。行事の昼食には、シンメーナービで炊かれた牛汁が定番。子どもたちもおいしそうにほおばる。午後も、舞台での数々の奉納舞踊が続く。