ある日私は、伊原間の東海岸(引潮時)に散歩に行き、海を見た瞬間「ワーッ、砂浜が広くて真っ白で綺麗」。喜びはつかの間、大潮の台風の後です。防風林のところまで、風と共に波に押されてたくさんの漂着物を見て、つい大きな声で「エーッ、ナニコレー」。カメラ撮影しながら歩く私です。ビーチクリーンをと思いながら歩き、ふっと目にしたのが小さなヤシの実。その種の中央から高さ30cm程の木。その時何も気にせずしばらく歩くと、2個目を拾いました。その時、「あれ? ヤシの葉は細長なのに、先ほど見たヤシの種の葉っぱは丸長」と不思議に思い、後戻りして種を拾いお店に飾りました。お客様に「これはめずらしい花木なので大事にしなさいよ」と言われ、その後、この木の花が見たいと思う日々でした。すると伊野田の新城さんが、「大野地区の洲鎌文さんの庭に大木で大きなゴバンノハナが夜咲いているので撮影して」と言われ、さっそく翌日の朝6時に行くと、甘ーい香りのするゴバンノハナはもうすでに落ちていました。手に取って見るとサガリバナの3倍程の花びらで長さ10cm程です。その横に落ちている角ばった種を見て、伊原間東海岸に漂着されていた種と同じだと思い、花と種を手の平にのせ興奮する私でした。すると「この花綺麗でしょう」と洲鎌文おばあちゃん(85)。ゴバンノハナのような優しい文ばあちゃんです。すると「私の子供が、20年前海から種を拾って来て植えたんですよ。それが5年ほど前からゴバンノハナは咲いていて、朝起きてこの大きな花を見るのが楽しみです」と話しました。初めて庭に落ちている花を見た時は、「神様からの贈り物かな」とか「誰かがここに捨てたのかな」などと思ったそうです。
大きな木の上にぱっと咲き、下に落ちても甘ーい香りと大きく開く花を見ると元気と勇気が出てきますよ。落ちた花を拾い花の盛り合わせをおばぁちゃんの両手にのせました。すると嬉しそうに笑顔でお話しする文おばぁちゃんでした。
毎朝落ちた花を数えるのが楽しみで、花を一輪ずつカップに入れ友人知人に差し上げたり、病院内のテーブルなどに飾り、皆様が「綺麗ね、香水の匂い」と喜ぶ顔がとても嬉しいそうです。また、一輪ずつティッシュに包みポケットに入れ、バスに乗ると東バスの運転手さんに「おばあちゃん今日は香水つけてきたの?」と聞かれ、おばあちゃんはティッシュに包んだ花を見せたりするそうです。文さんは、とても優しく綺麗な方です。たくさんの人に見てもらいたい!
私は文おばあちゃんと朝6時~午前中!ユンタクです。その後私は市街から伊原間までの行き来途中必ず花見です。開花期間は6月~9月(18時~翌朝5時)頃までです。一夜の命なので優くしましょうね。海岸に漂着された「海の宝物」。今日は、私に、貴方に、ヤーニンジュ(家族)、どんな宝物に巡り合えるのでしょうか、荒波と闘いながら八重山に漂着、ひとりひとりが優しく拾っていただけるとより良い、青い空、青い海、白い砂浜、八重山諸島となるでしょう!