4月29日(日)、竹富島で「イーヤチづくりを学ぶ会」を石垣竹富郷友会青年部主催で開催しました。イーヤチは竹富島の種子取祭に作られる伝統食です。 今年度の石垣竹富郷友会の活動テーマに、「竹富島と竹富2世3世を繋ぐ」ことを掲げています。今回は、イーヤチの作り方を親島の先輩から学び、また勉強会を通して親島との繋がりを作りたい、まずは親島へ渡ることが大事だと考えました。
講師は、内盛スミさんと内盛正聖さんにお願いしました。青年部は皆、種子取祭に参加することはあっても、イーヤチを作ることは初体験でしたので、道具の名前や準備するものから教えていただきました。作り方は、昔ながらのシンメーナビを使った方法を教えていただきました。
イーヤチはモチ米、粟(モチキビで代用)、アズキをシンメーナビで炊き、蒸して練り上げて作ります。沸騰した湯を取る行程が肝心で、丁寧に湯を取っていると「早く捨てれ」と怒られます。イビラという大きなヘラを使って練り上げる時は、3人の息を合わせること、腕の力ではなく膝を使うことが大事。練り上げたイーヤチは、イーヤチダーという木枠に移し、タビッキャというハマユウの茎を広げたもので押し詰めていきます。スミさんは、「イーヤチダーに移して、冷まして、切った時のイーヤチの断面。これがとっても美しい」と話されました。イーヤチに対する竹富の人のこだわりを感じました。イーヤチはイーヤチダーに移して半日以上は冷ましておく必要があり、青年部は石垣島に戻りましたが、翌日、正聖さんが切ったイーヤチをわざわざ石垣島まで持って来てくださいました。「少し柔らかいが、初めてにしては上等じゃないか」と正聖さんに言っていただき嬉しくなりました。
5月6日(日)は、石垣島で勉強会を開催しました。講師は郷友会の先輩の大山良子さん。場所は根原一芳さんが提供してくださいました。炊飯器を使った作り方を教えていただきました。竹富島の豊年祭、長月祝に作られるムチャネも作りました。
イビラを貸してくださった前野浩さん、八代子さんは「私たちが毎年イーヤチを作り始めたきっかけは、父が年をとって作れなくなって、親孝行のつもりで代わりに作ったら父が喜んでくれたことでした。今回、青年部がイーヤチを勉強して作ると聞いて、応援したいと思いました」と話してくださいました。
5月12日(土)、13日(日)に開催された産業まつりには、青年部でイーヤチ、ムチャネ、ンーヌイ(芋を練ったもの)を作って出店しました。教えていただいた方々、協力、応援していただいた方々への感謝の気持ちを込めました。
髙嶺方祐さんは貴重な粟を提供してくださいました。長堂憲泰さんはイーヤチと一緒に食べるピン(ニンニクを漬けたもの)とタコを提供してくださいました。ほか、多くの先輩方から道具の貸し出しや作り方のアドバイスをいただきました。
竹富島からピンを提供してくださった、神司の新田初さんは、「郷友会の若い人たちが団結して、竹富島のイーヤチを勉強して、汗を流して作った、ということがとても良かった。きっと良いことがあると思いますよ」とおっしゃってくださいました。