新川明用登(みゆとぅー)で10月1日に行われた竣工祝いの挨拶で、「リーマンショックに続き、円高不況、未曾有の大震災、日本にとって未来を左右する国難といえる事態が起きている今だからこそ、ふぁーまー(子や孫たち)のために新しい未来を切り開きたい」と有限会社沖縄国際海運上勢頭保社長は、石垣市長や竹富町長を前に決意を語った。
現在は、中国の海運会社と共同運航するコンテナ船が、上海、那覇、台湾、温州を毎週結んでいる。平成25年3月7日新国際空港開港を控える石垣だが、港の整備はまだ先が見えない状態。「八重山経済圏のハブとしての石垣の拠点整備は、空だけでなく海も重要」、「牧草が直接輸入できるようになれば地元で肥育牛が増産できる」と、コンテナ船が直接接岸できる港湾整備に期待をかける。
また、同場所に「地元に貢献する観光産業となるためには、まず1次産業の高次化が必要」と、地域密着型総合商社として『株式会社ゆがふ』も立ち上げた。「グローバルに情報が流通する時代だからこそ、膝をつきあわせて語り合う場が必要」と事務所以外にアートアンドコミュニケーションスペース『世果報291』も準備した。今後、ゆがふはこれまで培ってきたノウハウとネットワークを駆使して、商品企画・開発・製造を行っていく予定。「まず最初は竹富島の薬草を用いた特産品作りに取り組みたい」とのこと。輸出入業を始めたい人のサポートも行っている。最後に「貨物船を中国から直接石垣港に入れるように働きかけ、石垣を物流の拠点とした八重山経済の活性化に役立ちたいですね」と話した。