10月12日、小浜島の結願祭の奉納芸能が嘉保根御嶽で行われた。1年の豊作に感謝し、次の1年の五穀豊穣と無病息災を願うもので、2007年に国の重要無形民俗文化財に指定されている。小浜の結願祭は3日間で、奉納芸能が行われるのは中日の1日だけ。この日は前日まで雨がぐずついたが、どうにか天気ももち、御嶽で行うことができた。
小浜の結願祭では北集落はミルク、南集落は福禄寿が奉納され、北と南集落から交互に芸能が披露される。9時ごろにザーマーリィと呼ばれる行列からはじまった後、集落ごとに太鼓、獅子、棒術を奉納。その後は舞台での狂言、舞踊が続いた。
舞台に出る人たちは、自分たちの出番の合間に昼食をとる。狂言屋のみなさんは、全員の出番が終わった14時すぎくらいから、一番後方にゴザを広げてみんなでお弁当を食べる。祭の折弁当、手作りのお弁当をつまみ、まだ続く舞台を観ながらビールや島酒を飲む人も。
北の狂言屋では、初番狂言、鍛冶狂言、うろんつジランの3つを披露。狂言屋は基本中学生から参加するが、現在は北集落には男子中学生はいなく、高校生は学校の試験と日程が重なってしまったため、今年は参加できなかった。今年の北の最年少は大学生で、結願祭のために沖縄本島から帰島している。石垣に住んでいる出身者の人たちは、1ヶ月前から石垣で集まり練習。本番の1週間前からは毎日仕事が終わった後、最終船で小浜にきて、夜みんなそろって練習していたという。毎日夜中の1時か2時くらいまで練習は続き、そして朝また石垣の仕事へ。
狂言での花形役、スータイ(総代)を今年北集落では、黒島大樹さんが務めた。大樹さんは子どもの頃からこの舞台を見てきて、いつかこの役をやりたいとずっと思っていたという。今年ついに抜擢され、1ヶ月の練習に練習を重ね、むかえた本番を今終えたところ。黒島さんは「自分では最高のできだったと思います。スータイをやらせてもらった事、先輩方に教えていただいた事、みなさんに協力していただき、すべての事に感謝したいです」と話した。まだまだ続く結願祭、ほっと一息の昼食時間でした!