VERA石垣島観測局の昼ごはん

VERA石垣島観測局の昼ごはん
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 名蔵の奥深くにある、国立天文台のVERA石垣島観測局。その巨大望遠鏡がゴゴゴーと動くところや、夜には幻想的に光るベラに見学に行く地元の人も多い。恐る恐る、巨大なパラボラアンテナの奥にある建物に入ると、島田かなえさんが優しく出迎えてくれた。
 この大きな電波望遠鏡は岩手県奥州市水沢・東京都小笠原・鹿児島県薩摩川内市入来と、ここ石垣島に4基あり、それぞれが同じ時間に同じ星を観測することによって口径2300kmの超巨大な望遠鏡と同じ性能を発揮するという。その性能は世界の群を抜いており、現在最も正確に地球から遠くの星までの距離を測れるのは、日本にあるこの電波望遠鏡だという。その驚きの精度は、なんと月に置いた1円玉を判別できる(!)そうだ。「今まで誰も見たことがない銀河系の地図を作る」という壮大な夢のプロジェクトが、ここ石垣島でも行われている。この日は、サビを落として色を塗り直すメンテナンス中で、実際に観測している様子は見られなかったが、メンテナンスのために島内だけでなく県外からも職人さんが集まり、いつもより賑やかであった。ふだん、ここに常勤しているのはおひとりで、島田さんが週5日を勤務している。
 電波望遠鏡は、千分の一度の精度で星を追いかけており、大きなロボットのようだ。その電波望遠鏡のアンテナに細心の注意をはかりながら、地上20m以上の高い場所で塗装する職人技には圧巻。
 正午になると、午前の仕事を終えた職人さんがぞくぞくと降りてきた。職人さんのお弁当はカップラーメン、近くの商店で買ったお弁当など様々。大きな望遠鏡を動かす島田さんは手作りのお弁当。職人さんたちは早々と食事を済ませてすぐ作業に戻っていた。
 VERAは、年末年始を除き、ふだん10時~17時まで施設内の見学ができ、星の説明などを聞くことができる。8月6日は年に1度だけ織姫と彦星が出会うことが許されている旧暦の七夕。そして島の明かりを消して、天の川をみようという「南の島の星まつり」の星空観望会が開催される。星まつり最終日の8月7日は年に一度の電波望遠鏡の中まで特別に公開され、上まで登ることもできる。

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