5月下旬、登野城の新城正雄さん宅で、沖縄の梅雨どきに咲くイジュの花が見ごろになった。主に沖縄本島のヤンバルの森に自生するイジュの木。新城さんは、1998年に名蔵ダム付近の所有する山でイジュの木を発見。20歳前後の頃は樵(きこり)をやっていたこともあり、木や花には詳しく、すぐに移植を決意したという。
移植をする上で、幹の周りを直径1メートルほどの円状に掘り、毛根を出す『根切り』の作業を行った。新しい土地で上手く根が張るようにするためで、根切りから2年後に毛根が出ているのを確認後、2000年の節目に合わせ自宅の庭に植樹した。
野村流古典音楽保存会八重山支部の顧問師範を務める新城さん。「イジュの花は琉歌にも歌われている花。植樹してからは毎年花が咲いていたが、今年はこれまでとは比べものにならないほど咲いている。手入れをしながら来年も綺麗な花を咲かせたい」と話した。