石川洋燈友会は、「慈愛の母」計画ということをカンボジアで行っています。この計画は現地の尼さんを燈友会が雇用し、この尼さんたちは貧困家庭を1件1件回り
ひとつずつ問題を解決していくというもの。問題とはHIV、強盗、貧困、仕事場、etc。本当に地道な活動ですが、少しずつ目に見えて一軒ずつよくなっているそうです。その貧困家庭の村々をまわりました。
写真の2人の子供はHIVに感染しています。ご両親はHIVで、少女が生まれてすぐ亡くなりました。子供たちはあと何年、生きることができるでしょうか? 二人は祖母に育てられていますが、祖母は働くことができる年齢ではなく、私たちのほんの少しの支援で生き延びています。もちろん学校にいけるはずもなく、この日は二人が持つ唯一のきれいな洋服を着て、私たちを迎えてくれました。子供たちは一言も言葉を発することなく、お米や支援物資を持ってきた私たちに、感謝の念を払うべく手を最後まで合わせ続け、私たちを見つめていました。私は胸がいっぱいになり、何も言葉をかけてあげることもできず、握手をしようと手を差し伸べましたが、握手の習慣はないようで私の手をじっとみつめ、両手を顔の前であわせたまま、お互い見つめあうことしかできませんでした。その時の子供たちの表情が忘れられません。同時に自分がおかれた環境がいかに幸せで、裕福に生きているのだろうと、心から実感した一日でした。