巨樹・巨木との遭遇(4)

巨樹・巨木との遭遇(4)

アカギ

 字平久保・平久保牧の山中に、亭々とそびえるアカギ(トウダイグサ科)の巨木です。近くを安良越道(やすらくいつ)が通ります。胸高の幹回り5メートル70センチ、樹高約15メートルを超す堂々の巨木です。
 初めて同アカギに遭遇したのは、平成8・9年ごろです。前述の安良越道踏破での偶然の遭遇でした。その安良越道を平久保側から入山して間もなく、山道が左右に分かれています。右に水のない谷川沿いを行く山道と、左に尾根道を登りはじめる山道です。さて、越道は右か左か定かでありません。
 とりあえず右を行くことにし、進むこと約100メートルです。目の前に現れたのが同アカギです。
否、現れたと言うよりも、行く手を阻むように正面に根を下ろしています。あまりの大きさに一瞬、樹種が特定できませんでした。しかし、それがアカギであることは、さほど時間を要しませんでした。これまでに遭遇した巨木アカギを上回る超巨木です。
 その日は、同アカギとの遭遇に感激いっぱいで、越道踏破は後日に譲ることにしました。その後、安良越道は分岐点を左に行くことが分かりました。そして、これまで数回、安良越道を通過するたびに立ち寄る同アカギです。再会のあいさつと、更なる成長への期待をこめ握りこぶしでの激励は欠かしません。

松島 昭司

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