朝起きると頭が重く、気分が悪い。今にも前のめりし倒れそうである。立つのが精いっぱい。血圧が異常に高い。病院へ行くと患者が二、三名しかいないのに二時間待ちというのである。「急いでいましたら民間病院へどうぞ」というのである。それも二日連続である。
民間病院で、ある看護婦さんに、「救急車で来たらすぐみてあげるのに。次からは家族の運転する車ではなく救急車で来てください」と言われた。受付しても二時間待つ。しかし、救急車を呼べばすぐ診察する-という話は以前から聞いていた。
娘が「病院の前から救急車を呼ぼうか」と冗談交じりにいった。
それにしても八重山の医療体制はどうなるのか。医者不足がわからないでもないが、病院が必要な離島やへき地に目を向けない行政。財政難、採算がとれないから切り捨て。いつも弱い所にしわ寄せがくる。
医者の診察によれば、睡眠不足、不節制、パソコンに向い過ぎて、神経が休まることがないから血圧が上昇したというのだ。運動をして睡眠をとり、しばらくはパソコンを休んだらとのこと。
家族からはテレビや新聞を見て怒ってばかりいるから血圧も上がる。もっとノンビリしたらといわれる。
「早寝早起き朝ごはん」かとおもうのだが、早寝すると夜中に目が覚め、NHKのラジオ深夜便を聴いているといつの間にかラジオ体操の時間となる。そのまま朝へ突入の悪循環にまた陥りつつある。
男の更年期かもしれないなと思っているのだが…。
それにしても噂というのはひどいもので、「脳梗塞で再起不能」とか、「入院しているが車椅子生活」だとか。やがてすると「抹殺」されるのではと苦笑している。それにしても恐れ入りましたね。
リラックスにとか、ノンビリにとあまり言われるので、好きなツバキの見物にでかけた。つややかな暗緑色の葉、凛として気品に満ち、芯の金粉はあざやかだ。
ツバキは藪椿や品種改良された栽培品種などあわせると八千種ぐらいあるのではと云われている。最近のツバキブームで八重山にも色々な品種が入って来て目を楽しませているが、これまでの八重山のツバキはほとんどが、藪椿と赤の八重咲き系であった。
沖縄本島のように白椿は確認されていない。
藪椿は筒状のものからラッパ状のものがある。色も真紅のものからややムラサキがかったものがある。八重で、牡丹咲きの大輪系は沖縄のツバキ界では久米中と呼ばれ、雄しべが三つにわかれる。久米島に咲くことからこの名前があるとのことだが、久米島には明治の廃藩置県で首里から移住したひとによつて久米島に持ち込まれたと云う。だとすれば、久米中という名称は本来のものではあるまい。
ところで、以前、紹介した宮良殿内の「咲かないツバキ」を見に行ったらなんと、わずかだが蕾が筒状に開きかけているではないか。
興奮のあまり、落ちた花を拾う。花弁を一枚一枚広げると胡蝶侘助のように美しい。花弁が完全に開かないのは突然変異であるとの説があるが、結実しないのは雌しべが完全に退化しているためである。
正月、台湾で観た大輪のツバキやベトナム産のハイドンは色や葉などがツバキのイメージからかけ離れていて馴染めなかった。
昨年購入した白椿が咲き眺めていたら、琉舞の女踊でツバキを額にさすのはなぜかとの質問をうけた。ツバキは長寿や魔よけの意があり、吉祥紋である。 琉舞でも「沖縄タイムス」系のツバキはバラに見える八重咲き大輪、「琉球新報」系は藪椿である。