於茂登岳の大規模土石流です。2合目から3合目(滝入口)の登山道の一部をも飲み込んだ土石流です。
昨年10月中旬、近海にある秋雨前線やのろのろ台風13号の影響で、数日前から断続的な降雨の石垣島でした。そして、極め付けが22日未明からの長時間にわたる大雨です。
一夜明けると、そこかしこで大雨の話題です。その話題の一つに「於茂登岳の土石流」の報に接しました。早速、ジムニーを走らせます。最初に驚いたのが、登山道入り口から名蔵ダム方面に抜ける道路法面(のりめん)の崩落です。次に登山口広場に向かう道路の半決壊です。何とか小型車は通過できそうですが、万一を考えバックします。
さて、身支度を整えようやく広場からスタートします。丸木橋を渡ると炭焼き窯跡横の登山道が水没しています。川の流れが変化したようです。3度目の驚きです。そして、登るにつれ登山道の左側が徐々に明るくなり、花崗岩の転石が目に付きます。
突然登山道が途切れ、目の前が明るくなると同時に、眼前の光景に衝撃が走りました。一帯の木々がなぎ倒され、むき出しの大小の花崗岩が上流から帯状に散乱しています。我が目を疑い、ぼう然と立ち尽くします。
「百聞は一見に如かず」とは、このことでしょうか。ようやく我に返ると、次は土石流の全体規模を見たくなりました。しかし、現在地からは最上流が見えません。足元に注意しながらぬかるむ土石流跡を行きます。場所によっては、約30メートル幅の土石流跡や数メートルもえぐられた箇所があります。
北側に残る登山道の一部を見付け、そこを行きますが、再度途切れています。あまりの環境の変化は、対岸にある登山道の接続口が分かりません。しばらく付近で右往左往しますが、ようやく先達の足跡を見つけ渡ります。そこが山水会設置の滝看板の場所でした。土石流跡は更に上流に伸びていますが、むき出しの谷間は危険のため、ここで規模確認は断念です。
近年にない於茂登岳の大規模土石流です。ある御仁曰く「これも太古から繰り返す自然現象の一つである。このようにして山々は鋭角になっていくのだ。」と、う…されど…。