二十年前共産主義のソ連が自滅してしまいました。その当時、多くの経済・政治解説者が「共産主義はしりぞけられた! 資本主義は勝った!」と勝利宣言しました。けれども、資本主義も崩壊していました。経済学者は、米国民が数十年間「身分不相応な(収入以上の)暮らし」をした結果、増えてしまった巨額の貿易赤字をどういう風に削減できるか分からないみたいです。同様に重大な問題は米国の「カジノ資本主義」という賭博場のような経済管理です。最近、某金融機関の広範囲に行われている詐欺から発生した金融危機に影響されて、米連邦準備銀行は、政府の要請に基づき、「金融緩和」を決めました。「緩和」と呼ばれても、そういう決定は実際面で「財政拡大」や「インフレ」という意味です。その上、日本と中国の米貨保有高に関しては、「価値の引き下げ」という意味です。はっきり言えば、「略奪」。しかし、もっと身近な所を見て、我が国の輸出志向の長期経済政策をも考えなければならないと思います。私達は、その政策の結果で好況を経験したが、経済的な影響を受けやすくなって、不況もやむを得なくなりました。
八重山、沖縄、日本に暮らしている私達には、現代の経済問題はどういう影響がありますでしょうか。円高?不景気? 失業? 精神的重圧の増加? 社会的非平和の増加? 物質面での生活水準の低下? そのすべての影響?
緩和に関する限り、政府がお金を提供して欲しい方がいると思いますが、政界ではただで何かを得ることはありません。施しを待つのは消極的な姿勢を生まないでしょうか。政府の経済的援助への依存や輸入品への依存を減らして、代わりに、地元の知恵を有効利用しながら、自給率を重視して、非物質を上げるのはダメでしょうか。今の時勢には、目新しいやり方を開発するべきという避け難い結論に達すると思います。未来は、私達が自分自身の選択によって決める事です。
頭脳集団や顧問団の目的とする「未来を考える島民会議」は、経済の問題を分析して、対策を考えるのが適切だと思います。世界の通貨制度の脆弱性、通貨理論、地域通貨制度について、多くの沖縄県民と共に考え、難しくても正確な知識を得ながら、自分の地域についての解決していくという事を強く希望しています。
*次期、松谷明彦氏の『「人口減少経済」の新しい公式』、現代にぴったりの「ゐーまーる」※(沖縄の伝統的な相互補助方法)、そしてお金の面でも、その他の面でも、人々に力を与えている「地域通貨」を紹介させていただきたいと思います。