前月、ピアノ教室で学ぶことはふたつと書きました。ひとつ目は音楽という言語。
さて、もうひとつはピアノという楽器の使い方です。このふたつは、教える側としては全く違う話なんですよ。ちびっこたちはピアノ教室でこのふたつをまとめて教えられるものだから、だいたい一回は容量オーバーになったり、なんとか弾けるけどロボットピアノみたいだったり、しかも練習の必要性を感じられないから練習しないし、そのうち練習嫌いからピアノが嫌いになったりします。嫌いと言っても練習が嫌いで、思うように弾けないピアノが嫌いなだけでみんな音楽は好きなんですけどね。
まず練習の必要性を感じられないのはその子が音楽とは何かを知らないからです。知っていればちょっと弾いたときに「この私の弾いてる音、何か違う」とわかるからです。単純に音の間違いがあるだけじゃなくてその音が音楽的に美しいかかどうかもわからなければなりません。「違う」と分かれば「これだ」と思うところまで子どもはできます。機械的に「これがドでこれがレで…」とやっていれば音楽的な表現にはなかなか達しないでしょう。そのやりかたで達したとしても、その練習のおかげ、ではなく、その練習だったにもかかわらず、なのです。
ちなみにリトミックではひとつめの言語のほうだけを教えます。リトミックをやった子どもがピアノの習得がスムーズなのは当たり前です。彼らは音楽のルールを理解しているからです。