八重山のすぐりむん(特産品)未来への活用法(9)

特産品認定、新たな課題

特産品の認定って難しいですね。今年度第二回、竹富町特産品認定委員会が先日開催されましたが、遂に大きな課題がやってまいりました。
 特産品の定義をどこにおくかによっては難しい問題ではないのですが、当委員会では町内生産品の利用向上にも力を入れて行きたいがために直面する課題でもあるのです。
 今回、町内で加工はしているが、原料はまったくの町外産というものがずらりと並びました。町内で製造さえされていれば、たとえ原料が中国産でも特産品に認定されるのかどうかというのが焦点なのです。
 そこで今回の委員会では、特産品の認定にランクを設けることに決定いたしました。町内産品をどれくらい利用しているのか、町内で製造しているのかどうかによって金・銀・銅の3つのランクに分けます。定義づけは以下のとおりです。
金:原料80%以上町内産品利用、かつ町内事業所製造であること。
銀:原料25%以上町内産品利用、かつ町内事業所製造であること。
銅:原料に1品目以上町内産品利用であること。製造場所は問わない。
との基準を設け、今後は認定していくことになります。製造業者はより高いランクを得られるよう努力をし、竹富町の特産品が地産地消につながるよう誘導していけたらと考えています。
 国内では、利益を追求して原料を詐称する業者の摘発なども最近増えています。本委員会では町内製造業者ができる限り町内生産品目を利用し、加工した上で付加価値をつけて販売できるよう支援していくのが目的でもあります。
 ですが、町内で製造業を営む事業所が数えるほどしかいないというのが本当に残念です。若者の間では加工業に興味がある人もちらほらいるので、体制を調えて起業の支援をすることも大事かと思われます。一人一人の力は微力でも、皆が集まればより強固なものになりますよね。
 町内に製造業者が増えるということは行政にとっても悪い話ではありません。売り上げにつながれば税収につながるからです。民間と行政の協力があれば町の特産品はまだまだ伸びていく余地があります。
 今回認定した特産品をはじめ、町の特産品は11月に那覇市で開催される離島フェアにて販売いたします。生ものなど一部持っていくことができないものもありますが、認定商品についてはできる限り揃える予定でいます。本島にお住まいの竹富町にゆかりのある方のご来場を心よりお待ちしております。

崎枝 百合香

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