桴海於茂登岳トレッキング

13号台風の傷跡が残る原生林

一息付いたら出発します。微風の谷間に向かい下ります。程なくして小川に出ます。石伝いに川をさかのぼり、四〇メートルほど進むと低い土手が正面右手に立ちはだかります。川を外れ、土手の後ろからやぶ道を登ると、原生林が密生して山道が隠れます。コースの難所(1)です。
 密生する原生林を南側に進むと再度山道が現れます。付近は、先の13号台風の傷跡が残る尾根道です。立ち枯れして疎林になった尾根道の樹間から於茂登岳の北面が見え隠れします。
 さらに進むと荒川川の最上流で分岐する支流の湿地に出ます。一旦湿地に下り、二またに分岐した湿地の間から始まる急登の尾根道を行きます。やぶに戻りつつある尾根道は、位置的には桴海於茂登岳の南側です。さらに登ると尾根道が消えやぶこぎです。難所(2)です。
 程なくして、やぶも終わり、平坦な地形に変わります。ここは桴海於茂登岳と於茂登岳の長い分水嶺です。分水嶺を境に西に降る雨は、荒川川から東シナ海に注ぎ、東はトゥンナーラを下って真栄里ダムに注ぎます。
 分水嶺を北に向かいますが、ここも台風13号でかく乱され、分かりづらい山道です。難所(3)です。進むこと数分、次は東西に細長い平坦な地形に出ます。桴海於茂登岳とウマヌファ岳(450メートル)の分水嶺です。スクザーラカーラとトゥンナーラを分ける標高400メートルの分水嶺です。中盤終了です。所要時間70分です。

松島 昭司

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