伊原間の豊年祭

伊原間の豊年祭

小規模でも一味違う豊年祭

七月、八月、八重山では、各地で豊年祭が行われ、大変賑わいました。
 豊年祭は、この年の豊作に感謝し、来夏世(くなつゆ)の豊作を祈願するもので、伊原間の豊年祭は、昔は二日間に分けて行い、一日目にオンプール、二日目にムラプールを行ったということですが、現在では、一日でオンプールとムラプールを行います。
 オンプールは、伊原間御嶽で、集落の長老や公民館役員等が集まって、神司によって神事が行われます。続いて、集落のかんがい排水事業の一環として造られた大浦ダムの横の拝所に行き、ここで水の神様の祭祀を行います。これで、オンプールの神事を終え、夜から伊原間公民館で行うムラプールへと移行します。
 今年のムラプールは、七月二十一日午後七時を少し回ったころから始まり、石垣市長などのご来賓の方々、そして地域住民、町から来られた方、また観光客など、大勢の方が来られ、大変賑わいました。
 最初に主催者やご来賓の挨拶等の式典の後、奉納の余興が行われ、婦人会の「鷲ぬ鳥節」で座開き、その後、横目博二研究所の地謡での舞踊、子供会の踊り、伊原間中学校生徒による旗頭の奉納などがありました。
 その後、男性四人によるウフミシャグ、女性四人によるニンスイが行われると、カネ、太鼓、ドラが打ち鳴らされる中、豊年祭の祭祀歌 「アガリユンタ」、「アラバチヤ」、「マミドウマ」 が歌われ、「アラバチヤ」の歌が終わると、旗頭が広場の中央に移され、会場に来られている方全員がワラを頭に巻きました。
 そして、「巻踊り」 の歌とともに、旗頭を取り囲んで、婦人会をはじめ、豊年祭を見に来られた方々も加わって巻き踊りが始まり、「みるく唄」 が歌われ、歌も踊りも最高潮となったころ、旗頭を中心にしてガーリが行われてフィナーレとなりました。
 会場では、牛そばと泡盛が無料で振る舞われ、余興をしている者、見に来られている方が一体となった楽しい豊年祭となりました。
 伊原間の豊年祭は、町の豊年祭に比べると、規模は小さいのですが、伝統を重んじながらも、所謂「祭」の雰囲気が楽しめる一味違った豊年祭です。
 皆様、来年は是非伊原間の豊年祭にお越し下さい。 

古谷修

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