ユッカヌヒー(旧暦の五月四日)の六月十五日、この日、石垣島では、石垣漁港、白保船着き場、そして船越漁港で海神祭(ハーリー)が行われました。
船越漁港では、北部漁友会が主催する第十三回舟越屋海神祭(フナクヤハーリー)が行われ、北部の保育所、幼稚園、小学校、中学校から、学習の一環としての参加があり、また、地域住民、デイサービスを受けられている方、そして観光客など、大勢の人で賑わいました。
舟越屋のハーリーは、石垣漁港で開催されるハーリーに比べて小規模ですが、一般にハーリーで行われる御願ハーリー、上がりハーリーの他、次のような特徴があります。
【ハーリー舟担ぎ】
舟越屋は、その昔、東の太平洋と西の東シナ海の間が二百メートルくらいと狭かったことから、太平洋と東シナ海の行き来は、平久保半島を回らず、陸地を舟を担いで移動したということです。
このことに因んで、開会式の後、ハーリー競漕、体験ハーリーを行う前に、これを再現してから始めます。
今回も、伊原間中学校の生徒が、舟を担いで東の浜付近から船越漁港へと移動しました。
【五勇士ハーリー】
五勇士というのは、久松五勇士のことで、日露戦争時に、宮古島付近を北上しているロシア海軍のバルチック艦隊発見の報を、宮古島の久松地区から選抜された五人の漁師が、当時通信施設のない宮古島から、小さなサバニに乗って十五時間漕ぎ続け、石垣島の伊原間海岸に上陸して伝えました。
このことに因んで行われるのが五勇士ハーリーで、漕ぎ手五人の競漕を行います。
【体験ハーリー】
会場に来られた誰もがハーリーを体験できます。当日は、北部の幼稚園、小・中学校等の園児や、児童、生徒、そして地域住民、観光客等がハーリー舟に乗って体験されました。
また、体験ハーリーも、ハーリー舟に乗るだけではなく、今回も伊原間中学校の生徒対先生、野底小学校のPTA対明石小学校のPTAの競漕もあり、子供たちの大声援を受け、大変盛り上がりました。
ざっと舟越屋海神祭(フナクヤハーリー)をご紹介しましたが、皆様、来年のユッカヌヒーは、一味違ったハーリーの行われる船越漁港に是非お越し下さい。お待ちしています。