百歳万歳!

西表島祖納の那根タマばあちゃん

人間の生命が徐〃と延びてきて、今日では日本人男性の平均寿命は七九・一歳、女性は八五・九歳を数えるまでになった。厚生省(厚生労働省の前身)の統計「簡易生命表」では、六三年前(一九四七年)には、男性五〇歳、女性五三歳であったと記載されている。長寿への勢いが、年々と延びていくことは、嬉しい限りである。
 ちなみに平均寿命の国際比較では、短命な国は、南アフリカ共和国の男性四九・九歳、女性五二・九歳との資料がある。国の食糧事情や治安情勢、環境衛生上の問題もあって、格差がありすぎることに驚くばかりである。 
「人間の命は平等である」はずなのに、国によって生命の長短が、ほぼ決定づけられていると言うことに釈然としないものがある。
 さて、のびる人間の寿命、沖縄県の女性は、平均寿命八六、八八歳で長寿日本一である。(残念ながら男性は七八、六四歳で二五位)。
九七歳を迎えるカジマヤーヨイ(マンダラヨイ)も珍しい佳節ではなくなりつつある。ところが、その後三年の歳月で百歳を達成、正に一世紀を生き抜いたことは、家族親族、地域にとっても最大の誉れである。
 この度、西表島祖納在住の那根タマばあちゃんが、百歳を迎えた。明治四四年三月二八日、花城家の一男六女の五女として生を受けた。十九歳で那根享氏(元西表小中学校校長)と結婚、自らも六男三女の子宝に恵まれた。
 三世代に亘り、戦前・戦中・戦後の苦難な道を歩み、今尚矍鑠(ル・かくしゃく)として毎日畑に出向くという元気おばあちゃん。
祝宴会場には、県内各地から子や孫、玄孫も駆けつけ賑やかに百歳祝いが開かれた。
『五十、六十が蕾なら、七十、八十は花盛り、カジマヤー過ぎても鮮やかに、百で咲かそう命の花』。 百歳万歳!

加勢本 曙

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