「障がい者と呼ばれる人と健常者と認識されている自分との違いは?」。
これが、3月20日から4日間、盲導犬と共に八重山に観光に来られた全盲の西さん(仮名)のガイドをさせていただいて感じたことのひとつだ。
4日間、共に美味しい食事とお酒と音楽を楽しみ、海で砂と水の冷たさと風を感じ、山で滝の音や川のせせらぎ、鳥や虫の声に耳を澄ませ、花の匂いにうっとり…。生きていることを十分に感じている。おまけに西さんは「どんな風景なのか、どんな色をしているのか、ガイドの人の説明を聞いていてイメージすることができる。私は説明してくれる人の言葉から『見ること』ができる」と言う。目が見える私よりも遥かに豊かな想像力だ。
ある時、西さんはギターを奏で、美しい歌を披露してくれた。私はギターを弾けない。そして、「忘れっぽい」という障がいがある(笑)。障がい者・健常者をわざわざ分けなくてもよい社会を目指したいと思う。