金武岳のヤギさん一家

魚釣島の二の舞か

伊原間・金武岳(201メートル)の山頂に群れ遊ぶヤギさん一家です。
玉取崎展望台の背後にそびえる金武岳は、緑色凝灰岩が露出する急しゅんな岩山です。登山道は無く、ただひたすらやぶこぎで上へ上へと登ります。
初めて金武岳に登ったのは、今から10年以上も前のことです。山頂の巨岩からは、視界いっぱいに広がる太平洋が感動的です。南に転ずれば、遠方には白保・カラ岳や桃里一帯の緑が絶景です。北は、伊原間・ハンナ岳やフナクヤーが一望できます。フナクヤーは、その短い横幅が一目りょう然です。また、眼下の国道を走るカラフルな乗用車は、「わ」ナンバーでしょうか、まるでミニユァカーです。
閑話休題。いつのころから金武岳に住み着いたヤギさん一家かは不明です。去る1月中旬、玉取崎の駐車場から在りし日の登山を思い出し、見上げた金武岳です。すると、山頂付近に白い物体が見えます。動いています。「ん」、一瞬登山者かなと思いましたが、どうも妙な動きです。
持参のカメラに300㍉レンズを付け替えて望遠鏡代わりです。何と、ヤギさんです。数頭はいます。これが本当の「山羊(やまひつじ)」だと、つい吹き出しました。
5月初旬、友人たちと金武岳の植生調査を兼ね登りました。案の定、一帯に群生するショウキズイセンやシマオオタニワタリなどが軒並み被害です。そして、足の踏み場もないほどのフンのたい積です。瞬時に脳裏をよぎったのが昨年12月の尖閣列島・魚釣島のヤギ繁殖報道です。島の生態系に重大な影響を与えているとのことでした。
このままでは魚釣島の二の舞か、大いに気になるところです。

松島 昭司

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