一早く行われた海びらきと同時に、ここ石垣島では、“ライフセーバー”(ライフガード)たちの監視活動もスタートした。“ライフセーバー”とは、海辺の監視活動や救助活動を行い、みんなが安全にレジャーを楽しめるようにサポートする人たち(有資格者)のことである。真栄里ビーチで見かける、真っ黒に日焼けして、サングラスをかけ、赤と黄色のウェアを着ているあの人たちのことだ。
彼らの仕事は、単に監視活動と言っても、ただ事故が起きないように見張っているだけではない。救助活動はもちろんのこと、ビーチクリーン、危険物やクラゲチェック、遊泳者への声かけを欠かさず行い、ケガの予防に努める。また、日々の天気・気温、潮の干満、風向や水温を把握し、起こりえる事態に備える。時には、ケガの手当や、迷子、体調不良を訴える遊泳者の対応も行う。
浜辺まで波が打ち寄せる本土の海とは違い、終始穏やかなここ石垣の海で事故なんて…、と思う人も多いと思う。しかし、事故は「多分大丈夫だろう」という安易な気持ちから生まれてくるものであり、事故が起きてしまってからでは遅い。「事故を未然に防ぐ」という視点からビーチで遊泳者が安全に楽しく過ごしてもらうために、ライフセーバーは、日頃からどんな状況でも迅速に対応できるようにCPR(心肺蘇生法)やレスキュートレーニングを欠かさず行っている。
僕も大学時代、資格を取得し伊豆の下田で、縁あって5年前には真栄里ビーチで、ライフセーバーとして監視活動を行ったことがある。その経験をもとに言えることは、みんなの大好きな海が、悲しみの現場となってほしくない。そのために“ライフセーバー”がいる必要性があるということだ。
梅雨が明け、本土より一足早く迎える海水浴シーズンに向けて、今年も無事故であるように、彼らの仕事に注目してほしい