30年ぶりのUターンを果たし、明石部落に借家して住み始めたのが9年程前。友人となった村の有機栽培農家の嘆きを聞かされた。「JAを通じて本土のセリに野菜を送っているが、相場の波が大きく、損をしたり、ひどい場合にはJAに出した里芋が明石まで戻されて来ることもある」と。何とか彼らの手助けがしたい、石垣島の野菜を長年暮らした東京で販売できないだろうか、と考え、リタイアした身ながら乗り出してみることにした。亜熱帯の特性を活かした農作物で石垣島ブランドを、との思いもあった。
あれから8年。築地の問屋、首都圏のスーパー、ホテルやレストランなど少しずつ開拓し、小さな歩みではあるが販路を拡大してきた。6年前、在職中付き合いのあった老舗食品ストア「明治屋」の幹部ご一行が石垣島へ来られ、あちこちご案内したところ直ちに取引が始まることになった。八重山の香りピィパーズ若葉も常に店頭に並べて下さるなど、今や明治屋さんが私の最高で最大のお客さまとなっている。
特筆すべきは、毎年4月に催される「石垣島」を冠したフェアで、北は仙台から南は神戸までの全店規模で行なわれ、この一週間は大量の野菜や果物、塩や黒糖、調味料などの発送に農家もメーカーさんも、それに私自身も大童になる。
今年の明治屋「石垣島フェア」は4月13日から19日まで、全14店舗での開催。特に旗艦店の広尾ストア、玉川ストアの2店にはゴーヤ、ナーベラー、島ラッキョウ、ピーチパイン、青パパイヤなど島の新鮮な青果物も並ぶ。読者の皆さま、首都圏の親戚や友人知人に「明治屋・石垣島フェア」を見に行って!と是非宣伝してください