前楚 和秀(まえそ かずひで)さん
1976年11月2日生まれ。祖納西2組出身。農高→東京農業大。卒業後、帰島。帰島後すぐ、与那国馬保存会事務局を引き受ける。JA勤務、専業農家を経て、現在は町役場臨時職員の傍ら畜産を営む。
≪与那国馬をこれからも守っていきたい≫
日本在来馬の『与那国馬』の保存活動をこれまで続けている和秀さん。「在来馬の中でも小柄な馬だが、多様な能力を持つ与那国馬を守っていきたい」との想いで事務局の運営に携わっている。幼いころから農業をしていた祖父のそばで育ち、牛や馬と触れ合ってきた。「いろんなことを教えてくれた祖父には感謝してます」と微笑む。
与那国馬は今、100頭前後いるといわれ、それくらいで推移していくのがちょうどいいとのこと。保存会としては今後、これまでとは違った長期的な計画で、与那国馬の”保存“の話が進んでいるところである。
≪乗馬体験はもちろん続けたい≫
祖納にある『与那国馬ゆうゆう広場』も保存会が運営をしている。これまでは体験乗馬をメインで行ってきたが、現在は見学だけとなっている。乗馬体験ももちろん続けたいが、厳しい現実もある。
畜産も営む和秀さんは「畜産情勢は今かなり厳しく、畜産農家は一番苦しい時期にあります。踏ん張って牛を守っています。八重山は畜産王国。いち早いセリ価格の回復を望んでいます」とも話す。
和秀さんは「今、台湾との交流の話しが進められていますけど、それもいいですけど、僕はそれよりも、本土の人たちに来てもらいたいと思っているんです。同じ日本に、せっかくこんなに素晴らしいところがあるってことを、もっとわかってもらいたいですね」と話した。
≪次の世代にも島のすべてを残してあげたい≫
「これからは家族を守り、地域に貢献できることを目標にしている。今は一生懸命働くしかない」という。自分は、島に帰ってきて、島のよさをより実感している。今の子どもたちが帰ってきた時にもそう思ってもらえなければ。将来島の子どもたちが戻ってくる時まで、次の世代まで、子どもたちの故郷である島のすべてを守っていきたい。