去った10月4日、小浜島の結願祭でダートゥーダーが75年ぶりに復活し話題となった。
ダートゥーダーについては、有志によって演じられたのを見たことはあったが、本来小浜の結願祭のミルクと共に演じられて来たと聞いて結願祭での復活を願っていた。
小浜島の結願祭は、西表島祖納、星立の節祭と同じ日に行われ、国の文化財に指定されている節祭を取材することが多くなっていた。この間小浜島の結願祭を取材したことはあったものの、あの謎の神、ダートゥーダーが演じられず、なんとなく気になっていた。
幸い今回は多くの人々の努力でダートゥダーが復活し、この日は例年になく多くの島外の人がかけつけ、マスコミは注目し多くの取材記者も目立った。
祭の日は島の人々が数々の演目を懸命になって演じ、小さな島にこれ程の芸能があるのかとびっくりさせられ、改めて小浜島の文化の深さを感じた。
なかなか上演されないダートゥーダーにいらいらしている中、四時すぎやっとダートゥダーが舞台に上がってきたときはさすがにはやる気持ちを抑えることができなかった。
取材を終え帰るとき、小浜島への愛着がこれまで以上にわき、島の根の深さを感じた。
このダートゥーダーについてはいろいろな説がありまさに謎の神であるが、そのルーツについて竹富町教育長の黒島精耕氏の「小浜島の歴史と文化」の労作がある。
八重山は沖縄の中でも仮面を用いた神々が多い。アンガマ、アカマタ、マユンガナシ、オホホ、ミルク、フサマラー等である。これらの神々のルーツは今でも謎があるが、例えば、アンガマの面によく似たものにインドの少数民族ムンダ族の仮面があり、神々は世界にまたがっている。
グローバル化が進む中で世の中ほとんど同じ文化にならされ楽しさがなくなっている中、小さな島でかたくなに独自の文化を守り育てている島々の人々にエールを送りたい。そして今回のダートゥーダーの復活はまさに島のアイデンティティー主張なのである。