歌手 金城 弘美

ふるさとを思う心を歌ったご当地ソング『ゆらら』をカバーし、自身初となるシングルをリリースした金城弘美さん。この曲を歌うことになったきっかけや、現在活動中のBAGADA BANDのこと、今後の活動についてお話を伺いました。

―CDをリリースしたきっかけを教えて下さい。

この歌は、東京を中心に活躍中のERIKOさんが昨年全国リリースした曲で、さとうきびがゆったりと揺れている様子を歌っています。作詞家の方もよく八重山を訪れており、曲は西表島の南風見田の浜をイメージしています。八重山の雰囲気にぴったりということで、市内の路線バスや、竹富町の観光PR用のDVDなどで使われていたところ、この曲は島の人が歌ったほうがよいのではないかという話しがあったみたいで、まわりまわって私が歌うことになりました。私自身この歌はすごくいいなと思っていたので、歌うことができてとても嬉しく思っています。三線は新良幸人さんに弾いてもらいました。

―自身初のCDリリースということですが、歌ってみていかがでしたか。

この曲を歌わせたら、私より上手に歌う人は八重山にもたくさんいると思うんです。しかしそんな中、関係者から「島の歌をちゃんと歌える人に歌ってもらいたかった」と言われたときは、私がこれまでやってきたことが認めてもらえたように思えました。私はこれまで自分でも、八重山の歌を忠実に歌ってきたと思っているんです。これからも島の素朴さや土臭さが感じられて、また周りからもそう思ってもらえるような歌い手でありたいと思っています。レコーディングでは、小浜節を歌っているような気持ちで、おおらかさを大切にして歌いました。

―この歌が今後八重山で幅広く歌われるようになるといいですね。

そうですね。この歌を聴いた方からは、心が落ち着いてゆったりした気持ちになると言われます。『涙そうそう』や『童神』のように、だれでも口ずさみやすいメロディだし、たくさんの人に親しまれる歌になってほしいです。

―現在、八重山アーティストを中心として結成されたBAGADA BANDにも参加しているんですね。

BAGADA BANDは、八重山の歌を大切にしていきたいという思いに賛同してくれた人たちが集まったバンドです。歌詞はすべて八重山方言で歌われており、今年の3月にはアルバムもリリースしました。私は『かなさーる』という曲をソロで歌わせていただいているのですが、レコーディングの時に代表の伊良皆誠さんから「弘美がこれまでやってきたことを全部出して」と言われたんです。私はこれまで民謡しかやってこなかったのですが、そこで初めて自分らしく歌うことを認めてもらえた気がしました。BAGADA BANDでの経験があったからこそ、ゆららのレコーディングのときも動じずに、自分らしく歌うことができたのだと思います。

―今後の活動について。

この歌をきっかけに、今後はライブ活動も積極的に行っていき、それと同時に八重山の歌も全国に広げていきたいと思っています。この歌と一緒に私自身も大きくなっていけるといいですね。

▼金城 弘美(きんじょう ひろみ)プロフィール
1968年11月23日生まれ。登野城出身。 昭和61年、17歳で八重山古典音楽コンクール最高賞受賞。 平成12年、とぅばらーま大会歌唱の部最優秀賞受賞。 八重山古典音楽安室流協和会教師。金城弘美研究所。 アコーステックパーシャ(コーラス)

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