シンガーソングライター 池田 卓

今年でデビュー10周年を迎える池田卓さん。2月に行われたすけあくろでのライブで、自身の故郷への熱い想いを伝えた。約2時間半ほどのライブ後にお話を伺った。

―船浮出身のアーティストして活動してきて10年目ですが。

池田 卓(以下、池田)
 デビュー当時は嬉しい気持ちがいっぱいで、何も考える暇もなくて、思ったことを歌にしていました。技術的なものが足りていなかったから、そこを求めてコードやアレンジなどを含め、どんなジャンルの歌をやりたいのか考えながら3?5年活動してきました。ちょうど10年で、戻ってきたような感じです。自分は歌を歌うだけじゃなくて、島がいつまでも元気であってほしいという想いで歌っているわけだから、元気にしていく必要があり、外からではなく、島にいてはじめて、島を出て生活しているひとたちに「たまには帰っておいで」と言えると思うんです。歌が本物になるように、思っていることを歌で表現するだけではなく、実際に行動に移していきたいです。
 11年目からは船浮を拠点に活動していく予定です。島に戻れば、船を持ったり、運動会や祭りなど地域の行事に参加したり、毎日歌ばっかり歌っているわけにはいかないから、この1年は歌一本で、悔いの残らないように歌っていきたいです。でも、歌はどこにいても歌えると思うし、月に一回程度のスパンでもいいから、那覇や東京に歌を歌いにいったりできればと思っています。

―ベストアルバム「凪 Nagi 」の製作に込められた想いは?

池田
ラジオに寄せられた「この歌で頑張れた」、「この歌で気づかせてもらった」など、ファンからの感想メールやメッセージ、リクエストが多かったもの、自分の好きな曲よりも、たくさんの人に愛してもらってる曲を選曲しました。今まではインパクトがあったり、やってみたい新鮮なアレンジを楽しんできたけど、今回は10周年のベスト盤ということもあり、この先、ずっと聴き続けられるようなものを目指して製作に取り組みました。シンプルアレンジで、歌詞や声がしっかり聞こえるように心掛けました。。

―八重山の島で歌うときと他の場所で歌うときの気持ちに違いは?

池田
どこの場所でも、プロとして同じステージをしないといけないと思っていますが、島に呼んでもらえるのは嬉しいことです。島で歌っているときは「卓、がんばれよ」とか「おかえり」という声や島の人たちに応援してもらっていることがダイレクトに伝わるから。。

―船浮音祭りは今年で4回目を迎えますが。

池田
祭りの主催は自分であるけれど、島の人たちが強い絆で協力し合って、ひとつのものをみんなで作り上げるための祭りであることを前回の祭りの後で伝えました。今年の祭りでは、ステージはもちろん自分が盛り上げていきますが、バザーは島の人たちに任せてあります。当日が楽しみです。

―最後に読者、ファンの皆様へメッセージを。

池田
船浮は遠く離れていて、時間もお金もかかるけど、様々な面で素晴らしい所だから一度は来てみてください。そして、来年からは僕も島にいるので、ぜひ遊びに来てください。

池田 卓|八重山アーティストちゃんぷる~

池田 卓プロフィール

1979年5月24日生まれ。西表島船浮(ふなうき)出身。船浮小中→船浦中→沖縄水産高校。中高は甲子園出場を夢見ていたが、2000年の夏、島の芸能祭に参加したのをきっかけに本格的に音楽活動を開始。2005年にはアルバム「心色」で全国デビュー。2010年3月にリリースしたベストアルバムや八重山民謡アルバムを含め、これまで9枚のCDを発表。現在、沖縄を拠点にライブ・祭り・イベント、ラジオパーソナリティーや講演活動、執筆、映画の主演を務めるなど多方面で活躍中。2007年より、故郷・船浮にて音楽イベント「船浮音祭り」を企画・プロデュース。2008年以降は中東や北米地域での海外ライブにも出演、活動の幅をさらに広げている。

 

関連リンク

池田卓オフィシャルサイト
月刊やいま2017年7月号 特集「池田卓ロングインタビュー ―池田米蔵と池田卓を一人でやる―」
やいまtube「おばあちゃんの唄(池田卓)」
やいまtube「十三夜(池田卓)」
やいまtube「百合の花(池田卓)」
人物フラッシュ「島に生きる。 ―池田米蔵さん、池田卓さん―」
八重山ミュージシャン「池田 卓」

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