八重山10大ニュース 2014年(平成26年)
目次
2014年の八重山は入域観光客が初の100万人突破は確実で、110万人を超える勢いだ。また、3月の市長選に始まり、9月の3市町議会議員選挙、11月の知事選、12月の衆院選と選挙イヤーとなった。与那国町では陸自沿岸監視部隊配備に向け造成工事が着工、その賛否を問う住民投票の実施で野党と町長が対立している。大浜中学校男子駅伝部が2年連続で県大会を制覇、九州大会で県勢過去最高の4位となり、全国大会でも力走した。沖縄ファミリーマートが4店舗同時オープン、コンビニ競争が激化した。少雨傾向で、石垣市と竹富町が夜間断水に踏み切った。石垣市出身の元WBAライトフライ級王者・具志堅用高氏の国際ボクシング殿堂入りも決まった。2月にはロッテとオリックスのオープン戦が初めて開かれたほか、子どもたちのスポーツや文化面での活躍も目立った。
1.観光客、100万人突破確実
八重山の観光入域客数が2014年10月までに98万9,188人と、前年の年間94万2,964人を4万6,000人余り上回る過去最高となり、初の100万人突破が確実となり、年間110万人台も現実味を帯びている。羽田直行便への中型機の就航や増便による輸送能力の向上などで入域客数が増加。また、台湾を中心としたクルーズ船の入域も好調だった。関係者による国内外でのPR活動や人気お笑いコンビ、ナインティナインの岡村隆史さん(44)の石垣市観光大使就任、テレビ番組のロケなども入域増に貢献した。一方、観光地や受け入れ態勢の整備、冬場の誘客、観光関連事業所での人手不足などの課題も浮上した。
2.選挙目白押し、年4回も
2014年は3月2日の石垣市長選に始まり、9月7日の3市町議会議員選挙、11月16日の県知事選、12月14日の衆院解散総選挙が続く選挙イヤーとなった。市長選では自公が推す中山義隆氏が再選、市議選(定数22)でも与党が14議席の安定多数を確保した。竹富町議選(同12)は与党6人、野党5、中立1。与那国町議選(同6)は、与野党それぞれ3人と拮抗(きっこう)。与党から議長を出したため、採決では野党系が過半数を占めている。知事選では、「オール沖縄」を掲げ、普天間飛行場の辺野古移設阻止を主張した翁長雄志氏が初当選。衆院選も県知事選の勢いに乗り、4区で仲里利信氏が初当選するなど、4選挙区全てで反辺野古勢力が勝利した。
3.与那国で陸自施設が着工
与那国島への陸上自衛隊沿岸監視部隊の配備に向けた造成工事が4月、予定地の南牧場で着工。7月には監視施設や隊舎などの建設で72億円超の工事が発注された。着工に先立ち、与那国町比川の町離島振興センターで行われた式典では、配備に反対する住民ら約70人がバリケードをつくり、小野寺五典防衛大臣(当時)の乗った車両の進入を阻止し、警察官とにらみ合いとなった。9月の町議選では与野党同数が当選。与党系の糸数健一氏が議長に就いたことで議会勢力は野党多数となり、陸自配備の賛否を問う住民投票条例を賛成多数で可決した。現在、条例の修正をめぐり、野党側と町長が対立しており、今後の動向が注目される。
4.大中男子、2年連続全国駅伝出場
大中男子駅伝チームが12月14日に山口県で開催された全国中学校駅伝大会に八重山勢として2年連続出場を果たし、初出場の前大会を上回る1時間59秒で44位でゴール。また、11月29日に行われた九州大会では県勢過去最高の4位と躍進。地元のみならず、県民を沸かせる走りで前年に続いて活躍が光った。中でも、チームのエース島袋太佑選手(3年)が九州大会1区で区間2位、全国大会1区で区間5位の力強い走りで一躍県内外から注目を集めた。崎田尚孝監督は「全国大会に出続けることが大事。もう一度、この舞台に立ちたい」と3年連続出場を目指す。2015年は地区大会7連覇、県大会3連覇の大台に期待が高まる。
5.ファミマが石垣島初出店
沖縄ファミリーマート(本社・那覇市、大城健一代表取締役社長)が10月10日、石垣島に初出店し、4店舗を同時オープン。開店時には市民が長い列をつくるなど、関心の高さをみせた。島内へのコンビニエンスストア進出はココストアに次いで2社目となる。同社は2015年2月までに10店舗の展開を予定。既存のココストアと合わせ、市内のコンビニは最大で31店舗となる見通しで、消費者からは「コンビニが多い」「接客サービスが向上した」など賛否両論がある。一方、ファミマ出店を手始めに、2015年夏には大手家電量販店のエディオンも出店を発表。相次ぐ石垣島への大手企業の参入に、地元零細業者への影響が懸念されている。
6.具志堅用高氏が国際殿堂入り
国内歴代最多の13度の連続防衛を記録した具志堅用高氏が国際ボクシング殿堂入りを果たした。1976年10月、世界ボクシング協会(WBA)ライトフライ級王座を獲得。サウスポーのハードパンチャーとして防衛を重ね、「カンムリワシ」の異名を取った。現在は白井・具志堅スポーツジムの会長を務めるほか、タレントとしても活躍。石垣市民会館大ホールで12月17日に行われた第1回おきなわ新喜劇「Do You“シーミー”?」に出演、アドリブで会場を沸かせた。殿堂入りの式典は2015年6月14日に行われるが、市は12月25日、石垣港離島ターミナル内の具志堅用高モニュメントで記念セレモニーを行う。
7.石垣市と竹富町で夜間断水
八重山地方で梅雨明けから11月まで続いた少雨傾向で、石垣市は11月20日から9日間の夜間断水を実施。簡易水道地区を除く市内全域と市から給水を受ける竹富島で市民生活に影響が出た。断水は2011年8月以来3年ぶりだった。西表島の河川から取水した水を海底送水管で配水している竹富町では、海水を淡水化している波照間島と竹富島を除く全地区で10月30日から12月1日までの32日間、夜間断水や減圧給水を行った。また、石垣市内では8月11日に宮良川の河川水をくみ上げ、農業用水を供給する平喜名揚水機場が落雷で故障。宮良配水地と石垣ダムへの送水ができなくなり、14日から9月9日まで26日間、農業用水が停止した。
8.初のオープン戦が実現
7年目を迎えた千葉ロッテの石垣島キャンプ。待望の石垣島初のオープン戦が2月16日、オリックスを迎えて市中央運動公園野球場で開催され、多くのファンが熱視線を送った。大嶺翔太も1軍でデビュー。8月7日の初スタメンでは第1打席に1号ソロ本塁打で自ら祝砲をあげたほか、ファーム日本選手権ではMVPも獲得した。兄の祐太も8月以降、登板回数が増えて3勝4敗。ソフトバンクの嘉弥真新也は、1軍で32試合に登板した。また、2015年は巨人の育成選手として八商工出身の田中貴也も球界入りする。自転車の新城幸也が「ツール・ド・フランス」で5度目の完走。日本の歴史を塗り替えた。また新城雄大もプロデビューを飾った。
9.国内外の舞台で頂点に
日本初開催の空手道世界大会「空手1プレミアリーグ2014沖縄大会」で上地拳王が迫力の演武をするなど、今年は一般選手が世界の舞台に挑戦。第18回アジアマスターズ陸上競技選手権大会では米盛博文が砲丸投げで優勝、アジアの頂点に立った。ソフトテニスの小林千華・高嶺彩羽はインターハイと長崎国体の2大大会で奮闘。国体には陸上幅跳びで新村駿、インターハイには陸上やり投げの黒島美香、自転車の新城銀二、レスリングの加藤亮もそれぞれ出場した。また市出身の安里健が春夏甲子園に出場、夏は本塁打も放った。団体では少年スネークが全国、九州の大会で続けて頂点に。石垣小男子ミニバスケが初の県3位に入った。
10.小中高生、文化活動で活躍
第49回交通安全子供自転車全国大会で明石小が4年ぶり2度目の優勝、八重農環境工学部は森林の流域管理システム推進発表大会で九州森林管理局長賞、第21回コカ・コーラ環境教育賞でも優秀賞を獲得するなど、2014年も児童生徒の文化活動の活躍が目立った。増田健琉君(真喜良小3年)は第24回児童生徒の平和メッセージ展の詩の部で最優秀賞に輝き、沖縄全戦没者追悼式で朗読。平田誇君(平真小4年)とつぶらさん(同2年)は新聞社主催の作文コンクールで兄妹そろって大きな賞を受賞した。3高校郷土芸能部は県高校総文祭で優秀賞となり、八重農が2015年の全国大会へ出場。石垣第二中吹奏楽部・マーチングバンド部は全国で3位に輝いた。
提供:八重山毎日新聞社