八重山10大ニュース 2013年(平成25年)

2013年は3月7日に郡民待望の南ぬ島石垣空港が開港。計画から37年目にして悲願が実現した。それに付随し中型機の就航や格安航空(LCC)2社の参入で航空運賃の低価格化が実現。入域観光客も過去最高の年間90万人に達する勢いだ。日本と台湾が4月に締結した尖閣諸島周辺海域を対象とした日台漁業取り決めはその内容に漁業者が反発。見直しが求められている。一方、懸案の県立八重山病院の移転先が石垣空港跡地に決定。市給食センターも着工、新年度から供用が開始される。自衛隊配備で揺れる与那国町は現職の外間守吉氏が3選を果たし、配備の動きが加速する気配だ。八重山勢として初めて県中学駅伝を制し、九州、全国大会出場を果たした大浜中学校男子をはじめ文武両面で児童生徒の全国レベルの活躍も目立った。
 

1.新空港開港、観光客が大幅増

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石垣島の空の玄関口は3月7日、民間空港として57年の歴史を刻んだ石垣市平得にある旧空港から、盛山の新空港「南ぬ島石垣空港」に移転した。基本計画から37年目にして実現した新空港の開港に郡民は喜びに沸き返った。開港後、全日空の中型機が就航して輸送力をアップさせ、ピーチとスカイマークの2社が新規参入して格安運賃を実現させた。那覇間は既存の航空2社も追随して事前購入チケットを大幅に値下げするなど、利用しやすい運賃に。一方、当日の購入が可能な離島割引は適用されなくなった。台湾間でも2社が就航したが、冬場の観光資源の乏しさなどから運休。国際線ターミナルの狭隘(きょうあい)さが課題として浮き彫りになり、改修が行われることになった。新空港開港の宣伝効果、航空運賃の低減を受け、3月以降の観光客数は大幅に伸びた。10月末の段階で81万3,106人となり、年間の過去最高記録を更新。年間では90万人を突破する勢い。観光関連業界はにぎわいをみせたが、消費単価のアップ、サービスの充実、観光施設の整備、リピーター率の向上などさまざまな課題も。持続可能な観光振興はどうあるべきか。戦略を描く必要性にも迫られている。
 

2.ロッテが初のオープン戦

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千葉ロッテマリーンズとオリックス・バファローズのオープン戦が2014年2月16日に開催されることが決まった。ロッテキャンプ7年目にして実現。1、2軍合同キャンプも初めて行われることになり、大嶺祐太・翔太の兄弟は「オープン戦に出たい」と意欲的。地元の野球少年やファンは「プロのプレーが見られる」と期待を膨らませる。スポーツイベントでは、国内で人気の石垣島トライアスロン大会が2014年大会の休止を決定、アスリートを落胆させた。市が大会のあり方を見直しており、どうリニューアルするか注目される。
 

3.与那国町長に外間氏3選

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自衛隊配備を争点に8月に行われた与那国町長選挙で、誘致派で現職の外間守吉氏が反対派の崎原正吉氏に47票の僅差で勝利し、3選を果たした。外間氏は自衛隊配備推進を前面に掲げた選挙戦を展開。配備に伴うインフラ整備を強調し、幅広く支持を集めた。6月27日には、町と防衛省が町有地約21.4ヘクタールの賃貸仮契約を締結。施設整備に向けた設計業務などの準備も進められている。外間氏の当選で2015年度までの自衛隊沿岸監視部隊配備に向けた取り組みが加速しそうだ。
 

4.大中男子、県中学駅伝で初V

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11月の県中学校駅伝大会で大浜中男子が八重山勢で初の優勝。県代表として出場した九州大会では14位、全国大会は47位だった。7月のインターハイでは、陸上八種競技に前三盛敦貴、やり投げに黒島美香、自転車に新城雄大が出場。前三盛は八重山勢30年ぶりの4位入賞を果たした。10月の国体陸上には前三盛敦貴・喬貴兄弟が出場。自転車ポイントレースで新城が八重山初の8位入賞を達成した。高校野球では八商工が秋季大会で7年ぶりに九州大会出場を決め、2006年以来のセンバツ甲子園が期待されたが、2回戦で敗れた
 

5.公共施設建て替えへ

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県立八重山病院、給食センター、食肉センター、火葬場など懸案事項だった施設の建て替えに向けた動きが具体化した。給食センターと食肉センターは建設中で2014年4月から供用開始。火葬場は候補地選定をめぐって近隣住民の反対に遭い、仕切り直しで現火葬場と隣接地の組み合わせ案に絞り込まれ、事業化のメドがついた。県立八重山病院は前倒しの建設が決まり、旧石垣空港跡地で2017年度の開院を目指している。一方、石垣市立診療所の開設場所をどこにするかは決まっていない。市が県などと調整している。
 

6.日台漁業取り決め

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日本と台湾は4月、尖閣諸島周辺海域を対象にした日台漁業取り決めを締結したが、内容に八重山の漁業者らが猛反発した。日本は尖閣問題で中国と台湾の共闘を回避するため、漁業問題で譲歩。官邸主導で大急ぎで交渉が進められた実態が明らかになった。取り決めは、台湾の漁船が操業できる海域を尖閣周辺から石垣島の北方まで拡大するもので、地元漁業者は「操業ができなくなる」と怒りを爆発させた。その後、日台の漁業団体で操業ルールの確立に向けて協議が始まったが、合意には至っていない。
 

7.JTAが与那国路線撤退

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日本トランスオーシャン航空(JTA)が採算路線の見直しで1月7日に与那国路線から撤退。同月8日から琉球エアーコミューター(RAC)の単独運航となった。だが、機体がJTAのジェット機(提供座席数150席)からRACの小型機(同39席)となったことで、観光客の減少や特産物のカジキを載せる量が制限されるなど、経済面への影響は深刻だ。また小型機のため、天候にも左右されやすく、遅延や欠航が相次ぎ、町民生活にも影響が出ている。町ではJTAに対し、ジェット機の再就航を要請している。
 

8.児童生徒ら文化活動で活躍

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第48回全国野生生物保護実績発表大会で八重高生物部が環境大臣賞、古見小が林野庁長官賞を受賞するなど、2013年も児童生徒の文化活動の活躍が目立った。久部良小1年の安里有生君は第23回児童・生徒の平和メッセージ展で最優秀賞に選ばれ、沖縄全戦没者追悼式で朗読。八重農畜産部は、ビジネスプランコンテストでファイナリスト8に選ばれた。このほか、八重山高校演劇部やカラーガード部、郷土芸能部、石垣第二中学校の吹奏楽・マーチングバンド部、登野城小学校の器楽クラブなども県大会や全国大会の舞台で活躍した。
 

9.ヤマネコの輪禍急増

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2013年は6頭のイリオモテヤマネコが輪禍に遭い、交通事故発生件数が過去最悪となった。このため、竹富町と西表野生生物保護センターでは「非常事態宣言」を発表。関係機関23団体による「イリオモテヤマネコの交通事故発生防止に関する連絡会議」が発足するなど、ヤマネコの輪禍防止が急務となっている。ヤマネコの交通事故は5月に2件、6月2件、8月と10月にそれぞれ1件ずつ発生。幼獣3頭を含む6頭が犠牲となり、そのうち1頭は逃走したため、生死が分からず、5頭が死んだことが確認されている。
 

10.インフラ事故相次ぐ

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郡内では11月に通信障害が発生、1月には竹富島で約34時間に及ぶ断水が起こるなど、社会生活を支える公共基盤に関わる事故で市民生活に大きな影響を及ぼした。通信障害は沖縄先島間の伝送装置の不具合により、11月8日午後1時15分ごろから4時33分までNTT西日本の8,500回線で不通となった。竹富島の断水は石垣竹富間の海底送水管漏水で1月20日午後8時すぎから同22日午前7時ごろまで断水が続いた。波照間島と西表島を除く竹富町内各離島の水事情は海底送水に頼っており、送水管の更新も課題となる。