八重山10大ニュース 2007年(平成19年)

2007年の八重山では、島の景観に対する関心が高まった。石垣島がロッテのキャンプ地に決まり、盛り上がりは翌年2月のキャンプ本番へと続く。復帰後初めて米軍艦が寄港し、平和問題への活動も目立った。大型化する台風やサンゴの白化現象が地球温暖化との関連をうかがわせる。与那国町では「自立」に向けて台湾・花蓮との交流が本格化。竹富町では波照間便に空白が生じ、交通の離島苦がクローズアップされた。八重山支庁の在り方では議論。新空港整備や陸上競技場の全天候化、離島ターミナルなど公共施設の整備も進んだ。1年を10大ニュースで振り返る。
 

1.風景づくり条例施行

01.景観

石垣市は3月、風景づくり条例を議会の全会一致で可決し、風景計画とともに6月から施行、同月以降に着工する建築物から景観基準を適用した。法的強制力を伴う都市計画法上の景観地区第1号として観音堂地域が指定された。
 
 
 

2.ロッテキャンプ決定

02.ボビー視察

プロ野球・千葉ロッテマリーンズの石垣島キャンプが決定し、島中が歓声を上げた。大嶺祐太投手のロッテ入団をきっかけに誘致を成功させた。誘致の課題だった屋内練習場も総事業費11億7,212万円をかけて完成、供用を開始。
 
 
 

3.米艦船が与那国寄港

03.寄港本記

米海軍の掃海艦2隻が6月に与那国町の祖納港に入った。県内の一般港湾に米軍艦が寄港した初のケースに議論が起きた。「集団自決」への日本軍の関与を削除した高校教科書検定意見撤回郡民大会には3,500人が参加。
 
 
 

4.温暖化で大型台風襲来

04.プレハブ倒壊

9月に台風12号、10月には同15号が襲い、2年連続で大型台風が甚大な被害をもたらし、海では98年以来のサンゴ白化現象が起きた。台風大型化と海水温上昇を地球温暖化と関連づける見方も広がり、環境への関心が高まる。
 
 
 

5.花蓮市に事務所設置

05.花蓮事務所開設(松田)

与那国町は5月、姉妹都市の台湾・花蓮市に町事務所を設置。日本の市町村が台湾に出先事務所を設置した初のケース。3月に与那国空港で八重山最長の2,000メートル滑走路が供用開始、台北行き直行チャーター便が10月に飛んだ。
 
 
 

6.支庁再編問題が浮上

06.八重山支庁

県八重山支庁を本庁直轄の出先機関とする組織改編問題は、県議会12月定例会で関連条例改正案の上程が見送られた。ただ、地元や県議会の反対で先送りされたに過ぎない。今後も地元の働きかけが必要となっている。
 
 
 

7.離島ターミナル完成

07.テープカット(下野)

新たな離島航路の拠点施設「石垣港離島ターミナル」が1月31日オープン。施設は鉄筋コンクリート造1階(一部中2階)、延べ床面積5,276平方メートル。また、浮桟橋2基を設置、新年度で4基に増設され、利便性が大幅に向上する。
 
 
 

8.用地造成工事が本格化

08.新洞くつ(松田)

2006年10月に着工した新石垣空港整備事業は用地造成工事が本格化。県は反対地主が所有する土地の強制収用に向けた作業にも着手した。環境対策では、ほとんど前例のない小型コウモリ類向けの人工洞の整備が終了。
 
 
 
 

9.RAC波照間便廃止

09.RAC別れ(松田)

琉球エアーコミューター(RAC)は11月30日で石垣~波照間便の運航を終え、多くの波照間住民が別れを惜しんだ。31年6カ月で運んだ乗客は23万人。不定期航空路線を運航するエアードルフィン社(本社那覇市)が運航を再開。
 
 
 

10.全天候型競技場が完成

10.陸上

石垣市営陸上競技場が26年ぶりに改修され、念願の全天候型陸上競技場に生まれ変った。総工費4億964万円をかけ、トラック1周400メートルの8レーンとフィールドの一部を改修、工事後の大会では多くの大会新記録が生まれた。
 
 
提供:八重山毎日新聞社