やいまーる外電

とぅばらーま大会 関西予選会が開催される

とぅばらーま大会 関西予選会
日時:2019年8月18日(日) 13時~
会場:大阪沖縄会館(大阪市大正区)

 
 
令和初、今回で5回目となった「とぅばらーま大会 関西予選会」にて、最優秀賞・優秀賞受賞者が決定した。
 
最優秀賞は、村上創さん。
前年度の受賞者以外は受賞できるという条件の中、本予選会2回目の最優秀賞受賞だ。
村上さんには、9月11日に石垣島で行われる「とぅばらーま大会」への往復航空券・宿泊券が優勝賞品として授与された。
優秀賞は、東筋みずえさん。

審査委員長でもある近畿八重山郷友会会長・玉城一正氏による全体講評では、「今年も参加者のレベルがアップし、審査も難航した。とぅばらーまを理解し、思いを込めて歌っていた。」とのことや、声量についてなどのコメントがあった。
 
(表彰式後の村上さんの歌唱の様子)

 
今年の予選会には、男性10名、女性7名が挑戦した。
大半は京阪神在住であったが、遠くは和歌山県や愛知県からも参加があった。
 
大会は、出場者全員の演奏と近畿八重山郷友会会員の踊りによる「鷲ぬ鳥節」から始まり、玉城一正氏による挨拶、来賓紹介、来賓挨拶と続いた。

審査委員には、近畿八重山郷友会の重役に加え、新城永文琉球音楽研究所 師匠 新城永文氏、東海八重山古典民謡保存会 相談役 東筋秀盛氏、そして、石垣島からはるばる八重山毎日新聞社 社長 黒島安隆氏が来場。
 
審査員らとともに、観客らも大会冊子に書かれた歌詞と意味を見ながら、出演者がそれぞれに選んだ歌詞のとぅばらーまに耳を傾けた。
 
今年の冊子には、本大会が始まって以来5年間で歌われた歌詞の上位ランキングも紹介されており、興味深かった。

 
 
審査結果が出るまでの間、舞台では様々な八重山舞踊が舞われた。

八重山の歌や踊りに興味がある人たちにとっては、八重山の伝統芸能を楽しむ一日にもなったであろう。
 
(表彰式に登壇した出場者のみなさん)

 
最優秀賞者・村上さんの歌唱が再び披露された後は、六調、ヤーラーヨーで締めくくられた。

このような、伝統芸能に触れ、また伝統芸能を学ぶ人たちが刺激を受け合いさらに切磋琢磨していくような場がこれからも続くことを願ってやまない。

新宿の街がエイサーで熱く燃えた!


 すっかりおなじみになった「新宿エイサーまつり2019」(同大会委員会主催)が7月27日(土)に、「めんそ~れ! 令和元年 夏」のキャッチフレーズのもと、東京・新宿の東口、西口一帯で開催された。

 関東最大規模のエイサーまつりである同大会も今年で18回目。昨年は台風12号が接近するなかでの強行開催であったため、多くの団体が出演を辞退。天候も持ちこたえることができず、午後3時過ぎには雨天のため打ち切られるという消化不良な形になってしまった。

 ところが、今年も台風6号が日本列島に接近。大会当日朝には三重県に上陸し、関東地区への影響も懸念されたが、その後、台風は温帯低気圧に変わり、大会は無事晴天のなか開催された。

 今年は残念ながら、本場・沖縄県からの参加はなかったが、関東から和光青年会、舞弦鼓、琉球舞団 昇龍祭太鼓、琉球國祭り太鼓 東京支部、琉球創作太鼓 零、創作エイサー隊 炎舞太鼓など22団体が出演。

 昼の部(午後1時~4時)、夜の部(同5時~8時)に分けて、各団体が炎天下のなか、まさに熱い演舞を披露。新宿一帯には沖縄の風が流れ、集まった大観衆はエイサーに酔いしれ、満足げな表情を浮かべていた。

 また、ミス沖縄クリーングリーングレイシャスの譜久里美樹さんが来場し、専用ブースで沖縄観光PRに努めていた。

 そして、関連イベントとして、「沖縄音楽フェスティバル」(新宿文化センター大ホール)も同日開催。新宿駅東南口広場前サナギでは、「サラバンジ Music Fes 2019 ~ゆいまーる 音楽祭 in 新宿」も初開催された。

 なお、伊勢丹百貨店新宿店では、関連事業として、7月24日から29日まで、恒例の「第25回沖縄展」が催された。

 我が八重山からは、「金城かまぼこ店」「石垣の塩」「八重泉酒造」「西表島いやしろち」「川平ファーム」などが出店し、どの店舗も行列ができるほどの盛況ぶりだった。

(取材・文=ミカエル・コバタ)

八重山民芸品取り扱い店(大阪)と鴨川納涼(京都)

暑さ厳しい日々ですが、みなさんいかがお過ごしですか?
今回の「やいまーる外電」では、八重山より熱い近畿地方にて、筆者が最近訪れた八重山気分が少しでも味わえるイベントなどについての話題を2つ紹介しましょう。
 
 

●大阪で八重山の民芸品が買える!

 
大阪にある「ひふみ民藝店」にて、石垣島で一つずつ手編みされているアダン葉帽子などが取り扱われるようになった。

最近、店主の川見さん自らが沖縄や八重山へと仕入れに行き、「沖縄手仕事ノ会7」という企画展を実施したそうだ。
その名残もあり、店内にはやちむんや八重山・沖縄の民芸品が数多く並んでいて、さながら沖縄民芸品店のような雰囲気になっていた。

八重山・沖縄の物として、画像の棚の上段には、アダンのバッグ(ヤミカゴ)、アダン葉帽子、アダン葉ボトルケース、月桃コースター、トウヅルモドキの籠バッグ、馬グヮーなどが飾られていた。
珍しいものとして、主に沖縄本島南部で見られる石を彫って作った「石獅子」もあった。
 
  ひふみ民藝店blogより「沖縄手仕事ノ会7 開催中 民具などの紹介」
 
アダン葉製品は会期中も好評だったとのこと。
画像の帽子、ボトルケース、バングルの作り手は、「cocoroのぼうし」の水島知子さん(石垣島)。

こちらは八重山の凧。

 
筆者は今夏、八重山旅の予定はない。
その代わりというのも何だが、八重山気分を味わいにまたこのお店に足を運んでみようかと思ったのだった。
 
 ひふみ民藝店 ホームページ
   大阪府大阪市西区南堀江2-10-9テラス101号室
   営業時間 13:00~19:00 、定休日 火曜
 
 

●「鴨川納涼」で京都沖縄県人会が活躍


 
  鴨川納涼
  日時:2019年8月3日(土)17時~21時半
        8月4日(日)17時~21時
  場所:鴨川西岸、三条大橋~四条大橋間河川敷 
 
「鴨川納涼」は今年で50回目を迎えた。
今年も京都にある各地の県人会や京都府内各地域の特産品販売や、京都染織青年団体協議会による和装小物販売などのテントが鴨川の河川敷に連なり、大勢の人々が訪れた。
 
今年は、四条大橋から北に向かって歩いてみた。
 
ステージでは、諸喜田千華 琉舞研究所による踊りが披露された。
八重山上布柄の衣装で踊られた曲目は、「鳩間節」だった。

 
京都染織青年団体協議会は鴨川にて友禅流しの実演。
かつて実際に行われていた様子を、この日だけは特別にみることができる。

 
各地の特産品を販売する県人会ブースのコーナーになると、夕食をここで楽しもうとする人たちで一層通りは混雑し、あちこちから美味しいにおいが漂ってきた。
京都沖縄県人会のブースは、今年もまた賑わっていた。

サーターアンダギーが山積みされ、ゴーヤーチャンプルー、ポーク卵、焼きそばはどんどん追加で調理されていく端から売れていく。
オリオンが今年5月に発売したチューハイ「WATTA(ワッタ)」シリーズもあった。
缶のイラストにあるように、青シークヮーサーだけでなく、完熟した「くがに」のエキスも使われており、筆者が味わってみたところ、内地メーカーのシークヮーサー味のチューハイよりフルーティーな味の印象だった。
 
ブースの中のイートインコーナーには、県人会会員、関西の人たち、旅行者や外国人など、人々のチャンプルー状態。
見ず知らずの人同士が語り合い、三線に合わせて一緒に歌い、盛り上がった。
ポピュラーな沖縄ポップスの合間に、「とぅばらーま」やクイチャーの曲など本格的な民謡も演奏され、様々なバックボーンの人がめいめい満足できる時間だった。
 
日が暮れるとそよ風も吹き、鴨川の天然冷却装置の作用もあいまって、初日の夜は過ごしやすい「納涼の夕べ」となったのだった。

「明和の大津波」がモチーフとなったミュージカルが上演される

「星砂のマーメイド」
会期:2019年7月6日(土)、7日(日)
会場:クレオ大阪中央ホール(大阪府)
主催:劇団アカレンガ


近畿にある八重山関係の郷友会の組織の一つである「関西やいまー会」が、明和の大津波をテーマにしたミュージカルに特別出演を果たした。
「関西やいまー会」は、踊りや三線、郷土料理等の伝承を主な活動としており、様々なイベントで踊りを披露している。
会場には出演しなかったメンバーや、近畿八重山郷友会の集まりで見かける方々の姿もあった。

 

大阪で活動をしているミュージカル劇団アカレンガによる13回目の公演「星砂のマーメイド」は、24世紀の男女2名の調査員が18世紀のあの明和の大地震が起こる少し前に石垣島へとタイムスリップし、ハプニングに巻き込まれてしまうという物語。
漁網にかかったダイビングウェアとフィンを装着したヒロイン香織は、人魚と間違えられ捕らえられてしまう。
運命を変えてはいけないために村人とは接触しないという決まりがあったにもかかわらず、接触せざるを得ない状況の中、時代を超えた人々の心のふれあいや様々な思い、大地震の津波が来る前後の様子が描かれる。
同時に海の中に暮らす人魚たちの世界も描かれ、大津波の時に二つの世界が交差する。


パンフレットにはまた、次のような人魚にまつわる記述もあった。
—–
「野原村」(現在は消失)には4この大津波から生まれたとされる人魚の伝説が残っています。
現在は「星野」という集落が「人魚伝説の村」として存在します。
—–
 
 
「関西やいまー会」のメンバーは、近々凄惨な自然災害が起こるとはまったく知らない村人たちが無邪気に浜辺で歌い踊る場面で、「マミドーマ」を踊った。
 
 (画像提供:劇団アカレンガ)

終演後、近くでパンフレットを見ながら、「あの人たちは雰囲気が違った」と感心したように語る声がした。
演技ではなく、素で踊る姿から八重山の雰囲気が漂っていたのだろうと想像した。
 
 (画像提供:劇団アカレンガ)
  
ミュージカル団員は、子どもからシニアまで幅広い年齢層で、圧倒的に女性が多く、男性役や人によっては1人二役など見事にこなしていた。
オリジナル曲とクラッシク曲に歌詞をつけた様々な曲が舞台を盛り上げた。
津波のシーンでも美しい音楽と演者の表現は柔らかく穏やかな構成であったが、筆者は東日本大震災を思い出し、涙腺崩壊だった。
 
あの日はちょうど都内にいて、感じたことのない大きな揺れが、おさまりかけたかと思うとまた大きくなることを繰り返しながら揺れ続けた。
打ち合わせで一緒にいた人とともに放心状態になり、しばらくはただただ怖かったという気持ちをお互いに吐露して支えあった。
かなり時間が経過してから、事の把握をするためにその施設にあったテレビのコーナーに行き、東北の町が大津波に飲み込まれていく生中継を見て恐怖で身体が硬直した。
そんなことを思い出した。
 
 
ミュージカルでは、人の心のありようや、絶望の淵から立ち直る力強さも表現されていた。
あわせて、災害の恐ろしさとそれに対する備えの大切さをあらためて感じた作品でもあった。
「今を生きる」ことの大切さを、ミュージカルに打ち込む人々の姿から教わった作品でもあった。
 
 (画像提供:劇団アカレンガ  フィナーレの様子)

 
 
【参考】
明和の大津波で多くの人々が命を失った記録が、石垣市のホームページにも紹介されている。
 
「~石垣島の風景と歴史~ 34.石垣島の日本一・世界一その3 津波の波の高さ」石垣市教育委員会市史編集課