やいまーる外電

ハテルマン・山田祐基展 「I am water」


山田祐基展 「I am water」
会期:2019年7月5日(金)~21日(日) 12時~17時
会場:ナナクモ(京都府宇治市)

 
 
波照間島が好きすぎて「ハテルマン」と名乗って情報発信したり、「会社を休みすぎた、はてるま展」を開催したりと、会社員とアーティストの二つの顔を持つ山田祐基さんの作品展が、京都の宇治市内で開催されている。
 
 山田祐基さんホームページ
 ハテルマン ブログ
 
 
会場の「ナナクモ」は、宇治の観光エリアになりながら、通りを一つ奥に入った静かな場所にある。
雑誌「JAPANGRAPH-暮らしの中にある47の日本」のアンテナショップで、日本各地の民具や小物などを販売している。

山田さんはここで、2015年、2016年にも個展を開いており、3年ぶりとあってか、筆者がお邪魔している間にもファンらしき人たちが次々と訪れていた。
 
(民家を改築したナナクモ。写り込んでいるのはオーナーの奥様)

 
今回のテーマは波照間島ではないが、作品には波照間島の砂を使ったものや、山田さんが原画を描き自ら作った「ムシャーマ手ぬぐい」などがあった。
 
(今回の案内はがきの絵柄となった作品)

 
ムシャーマの行列を描いた「ムシャーマ手ぬぐい」は、大阪の国立民族博物館でも一時期販売されていたという。

 
店内には、山田さんのイメージに合わせたのであろう、八重山の民具なども展示販売されていた。
クバの柄杓とパナリ焼(復元)とともに。
与那国島のトウヅルモドキで編まれた籠バッグもいくつかあった。

 
こちらもパナリ焼。
作品は大型のものから、小さいものまで様々。
展覧会のタイトルに含まれる「水」を彷彿させるものがいろいろあった。

 
「JAPANGRAPH」沖縄編に山田さんは絵と文を寄稿している。

 
波照間島のお年寄りの手作り民具などが、ここでも買えるとは!

 
ナナクモオーナーの奥様によると、この二つの作品は、波照間島の砂を使っているとのこと。

 

 
会期は今週末までで、現在東京在住の山田さんが20日(土)、21日(日)に在廊する。
作品についての思いなど、作家に直接聴いてみるのもいいだろう。
 
作品も民具・小物も販売されている。 
八重山をイメージできるお気に入りの一点が見つかるかもしれない。

八重山とわたし(3) 写真家 大塚勝久さん:サガリバナの森でのインタビュー

写真集『平久保半島サガリバナの原風景』、『うつぐみの竹富島(たきどぅん)』、『八重山の風と光』など、八重山の自然や文化などを撮り続けている写真家、大塚勝久さん。
 
沖縄本島に拠点を置きながら、サガリバナの季節には数か月間平久保のサガリバナの森に入り、地域の子供たちにこの自然を残したいという思いでシャッターを切り続ける。
「平久保サガリバナ保存会」の一員でもある。
 
そんな大塚さんの八重山との出会いや関わりについて、サガリバナが開花し始めた平久保でお話をうかがった。
 
大塚勝久さん (ホームページ) 

 
大塚さんは、5年に1度写真集を出すことを目標に、これまで10冊の写真集(CD-ROM版も含む)を世に送り出してきた。
写真家人生50年の節目の10冊目にあたるものが、2016年に発行された「平久保半島サガリバナの原風景」だ。


 
 
カメラに興味を持ったのは小学3年生の時だったという。
6年生の時、念願の2眼レフを買ってもらい修学旅行の記録係をやった経験から、プロのカメラマンを目指そうと決意。
国内の大学に数か所しかなかった「新聞学科」に進学後、企業の宣伝広報課へ就職し、ユーザー向け広報紙のカメラマン兼編集者として、国内各地を巡る。
風景、グルメ、温泉、伝統文化などを写真と文章で表現する役割を担ってきた。
 
(平久保のサガリバナ 筆者撮影)


 
花が好きで、ロケ先で花の情報を聞いては、休暇のたびにライフワークで花を撮りに各地を旅した。
もっと写真撮影の技術を上げたいと、働きながら写真学校にも通った。
南の島も好きで、71年までは奄美や徳之島、与論島へ、72年夏、パスポートがいらなくなった沖縄本島を訪れた際に、民宿のおやじさんから八重山の事を教えてもらう。
そして、73年に初めて竹富島へ行ったのが八重山との出会いなのだそうだ。
 
それから8年間は会社勤めをしながら八重山に通っていた。
 
写真家としてライフワークのテーマを定めたいと長年探し求めていたが、なかなか見つからなかった。
八重山に通う内に「どういう風に生きていけば幸せなのか?」を考えるようになり、競争社会とは真逆の竹富島の助け合いの精神、うつぐみの心に出会い、「人間性の原点回帰」というテーマにたどり着く。
祭りや伝統行事に合わせて自分が撮りたい時に八重山に行きたいという思いが強くなり、1980年、16年間の会社生活を卒業し、沖縄を撮影するフリーランスの写真家として独立。
 
そんなお話を、昼間のサガリバナの森でうかがった。

 
 
サガリバナの開花は夜。
それまでの間、大塚さんと一緒に平久保のサガリバナの第一発見者である、米盛三千弘・邦子さん夫妻を訪ねた。
 
「サガリバナには様々な色がある」と、サガリバナ保存会会長の三千弘さん。
赤(濃いピンク)、ピンク(薄いピンク)、白、淡い黄緑、オレンジがあり、平久保には薄いピンクと白が多く、オレンジは一本しか確認できていないのだそうだ。
今年は季節の進みが遅く、開花が2週間ほど遅れているとも。
 
平久保出身の邦子さんによると、かつては田んぼの境界線の角ごとにその目印としてサガリバナが植えられていたこともわかってきたのだそうだ。
 
米盛夫妻が最初の一本の古木を発見したのが2005年。
当時300本だったサガリバナが一斉に咲いたのを見て人々に喜んでもらいたいという思いで、夫婦でコツコツと石を運んで約100メートルの手作り遊歩道を2011年に完成させた。
その作業に2010年から大塚さんも参加している。
 
(邦子さん手作りのサガリバナの造花)

 
大塚さんが三千弘さんと出会ったのは2009年だが、その頃の大塚さんは、「サガリバナと言えば西表島」と、西表島での撮影に時間を費やしていた。
2010年の西表島での撮影を終えた後、米盛夫妻を訪ね、初めて平久保のサガリバナを見て感動し、そこから二人と一緒に保存会を作る活動をしてきたのだそうだ。
 
それ以降の保存会の活動等は、以下に詳しい。

 日本経済新聞電子版 「一夜限り、幻想的に咲くサガリバナ 石垣島の群落守る」
 
 八重山毎日新聞 「西表石垣国立公園を拡張 平久保サガリバナ群落編入」
 
 
夜、大塚さんと再び平久保サガリバナの森に入った。
 
開花が遅れて数少ない花の中から対象を決めて撮影する。

 
星空にかかる雲が切れるのを待つ。

 
天の川とサガリバナの構図でシャッターチャンスをねらう。

 
既出のサガリバナの写真集は、5年間で3万枚の撮影をした中から83枚を厳選したのだそうだ。
大塚さんはこの夜も、心に描く作品イメージの一枚が得られるまで何度も何度もシャッターを切っていた。
幻想的に輝く天の川の銀河系の中心と木星に見送られながら、撮影会を終えた。
 
 
 
【参考】
1.八重山毎日新聞7月1日朝刊1面に、大塚さんが撮影した梅雨明一番の天の川とサガリバナの写真が掲載されました。

2.夜の撮影会中に見かけたサガリバナの森の生き物たちは、こちらで紹介しています。


第59回 近畿八重山郷友会総会が開催される

第59回 近畿八重山郷友会総会
日時:2019年6月30日(日)13時~
場所:大東市民会館(大阪府大東市)

 
 
近畿八重山郷友会総会は、今年で59回を迎えた。
この日も大勢の参加者が総会と懇親会に参加した。
 
 

【第1部 総会】

玉城一正会長による挨拶の後、平成30年度の活動報告等の議案の説明がなされ、滞りなくすべてが承認された。

昨年度の主な活動は次の通り。
9月にとぅばらーま大会関西予選会が行われ、今年度は8月18日に開催予定。
11月の秋季レクレーションは、グランドゴルフとハイキングが交互に実施され、昨年度はグランドゴルフだった。
伝統芸能などの継承活動を行っている関西やいまー会が、様々なイベントで踊りを披露。
来る7月6日(土)、7日(日)には、明和の大津波がテーマのミュージカル「星砂のマーメイド」がクレオ大阪中央ホールにて開催され、そこにも出演する旨も発表された。
 
劇団アカレンガ ミュージカル「星砂のマーメイド」
 日時:2019年7月6日(土)18時~、 7月7日(日)14時~
 前売:2,500円、当日:3,000円(全席指定)   
  
また、今年度の活動計画で決定している日程の発表もあった。
 
来賓には東京八重山郷友連合会会長 多宇邦雄氏もおられ、東京の郷友連合会は1925年(大正14年)に設立されたことや、自身が中学生の頃は新空港の場所は牧場だったというお話があった。

 
 

【第2部 親睦会】

余興の前に、神戸女子大学非常勤講師・李春子氏による「八重山の御嶽 自然と文化」刊行記念公演が行われた。
講演タイトルは『「八重山の御嶽」 ~「祈り」と「祭り」の祭祀空間』。

書籍では、御嶽を「自然の祈りの空間」と「文化の場」としての側面から見て、石垣島、竹富島、西表島、小浜島、黒島、鳩間島、与那国島、全7島の御嶽60か所を取り上げた。
「自然の祈りの空間」とは、御嶽の中にある祈りの場「イビ」の中には司しか入れないこともあり、貴重な自然、巨木や固有植物が保存されているという意味から。
「文化の場」とは、祭りの際に御嶽の前で踊る慣習がある点からそうとらえた。
など、興味深いお話だった。
 
 
余興タイムでは、今年も各字会や研究所、個人など、様々な人たちが舞台に上がった。

 
友情出演:ミュージシャン 吉本篤央さん&西山朝子さん

 
おそろいのドゥタティで登場した与那国郷友会の踊りと演奏の後は、フィナーレ。
六調、ヤーラーヨ、弥勒節、万歳三唱と続き、記念撮影で締めくくられた。