「琉球弧の写真」展で戦後間もない八重山の姿を見た

 

「TOPコレクション 琉球弧の写真」展
会期:2020年9月29(火)~11月23日(月・祝)
会場:東京都写真美術館 3階展示室
 
 
先月の話になるが、東京都写真美術館所蔵展「TOPコレクション琉球弧の写真」展へ、会期終了間際に行く機会を得た。
 
沖縄を代表する7名の写真家(山田實、比嘉康雄、平良孝七、伊志嶺隆、平敷兼七、比嘉豊光、石川真生)による全206点が展示された。
 
出品作の主な撮影時期は1960年代から70年代。
 
いわゆる戦後の「アメリカ世」から「大和世」へと移り変わっていった時代を切り取ったもので、その時代を生きた人々の暮らし、風景、出来事などを知ることのできる貴重な資料でもある。
 
東京都写真美術館のwebサイト内にある本展解説によると、「これまで沖縄県外の公立美術館で紹介されることが少なかった、沖縄を代表する写真家の作品を網羅的に紹介する初の展覧会」とのこと。
 
確かに、筆者もこれまで上記の写真家の作品を個展や沖縄関係のイベントで見たことはあったが、ここまで一気に多数の作品を見たのは初めてで、非常に見応えがあった。
 
会場内は、石川真生氏の作品以外は撮影可能ということもあり、関心を持った作品をスマホなどで撮影している来場者の姿も見られた。
 
筆者も八重山のものを中心に撮影した。
石垣島、黒島、西表島、鳩間島、波照間島、与那国島の当時の様子をうかがい知ることができた、貴重な機会であった。
 
そのいくつかを東京都写真美術館の許可を得てご紹介しよう。
 
(自分が写り込まないよう正面を外して撮影したものもあり、写真の形が平行線でないものが多く、視覚的に見づらい点はお許しいただきたい。)
 
 
●展示の様子
 
●石垣島
平良孝七 〈パイヌカジ〉より
 

 
伊志嶺隆《御神崎》 〈光と陰の島〉より

 
●黒島
平良孝七 〈パイヌカジ〉より
 

 
平良孝七 〈パイヌカジ〉より

 
 
●西表島・干立
伊志嶺隆《星立》 〈光と陰の島〉より
(注:写真家のタイトルのまま。一時期この字が使われていた時があった。)

 
●西表島・祖納
伊志嶺隆《祖納》 〈光と陰の島〉より

 
 
●鳩間島、宇多良炭坑
伊志嶺隆 〈光と陰の島〉より
左上、右上:《鳩間島》、右下:《宇多良》

伊志嶺隆には、白浜で撮影した作品もあった。
 
●波照間島
平良孝七《波照間島》 〈パイヌカジ〉より

 
 
●与那国島
上段:平良孝七 《与那国島》 〈パイヌカジ〉より
下段:平敷兼七《鰹を整える 与那国》

 
 
 
ここに紹介できなかった作品もある。
 
観光地としての沖縄・八重山でなく、人々の暮らしや祈り、生き様、ささやかな日常、一瞬の表情などを見ることができた。
 
また、その当時そこで起こっていた社会問題、格差などについて考えさせられる機会でもあった。
 
 
 
 
なお、公式図録『TOPコレクション 琉球弧の写真』は、東京都写真美術館のオンラインショップにて購入可能だ。
 
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公式図録『TOPコレクション 琉球弧の写真』 3,300円(税込)
同展出品作品図版を全点収録。
伊藤貴弘(東京都写真美術館学芸員)による論考のほか、作家解説など掲載。

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