やいまーる外電

京都の寺院で「美しき沖繩展」開催

「京都と琉球500年のむすび 美しき沖縄展」
会期:2019年10月12日(土)~14日(月・祝)
会場:京都 住蓮山 安楽寺(京都府)
主催:浮島ガーデン webサイトブログ

 
 
沖縄本島のヴィーガン・レストラン、浮島ガーデン。
2016年4月~今年の1月下旬までは京都市内でもレストランを開業し、2年前のちょうど今頃の時期に「琉球の美しいもの展」を開催した。(その時の記事
今回、その浮島ガーデンが沖縄県内8名の作家とともに、再び京都にて沖縄の様々な物を紹介してくれた。
会場には、沖縄、宮古、八重山のあちこちの地域・島からの物が集まった。

 
古都である沖縄と京都は、500年ほど前から文化の交易があった。
現在京都の三条大橋の近くに、毎年「沖縄フェスタin京都」を実施している檀王法林寺(だんのうほうりんじ)がある。
その開祖は袋中(たいちゅう)上人という人だ。
袋中上人は中国に仏教を学びに行こうとしたが、秀吉による朝鮮侵略の影響で日本と中国の関係も悪くなっていた為、渡航のタイミングを待つために琉球に3年ほど留まった。
その際に沖縄に浄土念仏を伝え、それが後にエイサーとなったのだという。
袋中上人が伝えた念仏は、今もエイサーの中に念仏歌として受け継がれている。
エイサーはやがて、沖縄本島などから八重山への移民により、八重山各地にも根付いていった。
そのような京都と沖縄の歴史的つながりを背景に、今回のイベントは、再び古都同士の文化大交易をという思いで「京都と琉球のむすび」と副題がつけられている。
  
(「だんのうさん」の愛称で親しまれる檀王法林寺での沖縄フェスタ2017年の様子)

 
  
「美しき沖縄展」の会場は、哲学の道から少し東山への坂道を上ったところにある安楽寺
普段は年間の限られた日しか一般公開されていないので、それとは違う時期に中に入れるだけでもワクワク感があった。
画像左上:石段の上にある山門。紅葉の季節には真っ赤に彩られる。
画像右上:山門をくぐるとすぐに、シーサーのようにも見える置物があった。
画像左下:浮島ガーデン京都の元料理長による料理などが食べられた食堂と、2階に写真展会場。
画面右下:畳の広間2部屋続きの空間では、沖縄の島々の伝統工芸品や民具、アクセサリーが展示販売された。
今回は、京都や大阪の沖縄に縁がある店舗や作家の出品、単発イベントもあった。

 
最終日に訪れてみると、食堂の2階から声が聞こえるのでまずそちらに足を運んでみた。
石垣島在住の写真家、中西康治氏の写真展「八重山の伝統行事と祖先」の会場だ。
どうやらトークギャラリーが始まって間もない様子。
本来12日だったのだが。台風の影響で変更になったのだろうか?
筆者としてはお話がうかがえて嬉しい。  [中西康治氏のホームページ

八重山の島々の伝統行事を象徴する写真について、一点一点解説してくださった。
石垣島、与那国島、波照間島、西表島、小浜島の様々な行事のことや、ご自身の八重山に暮らすおばあさんや親戚の話題を通して、八重山の伝統行事を綿々と受け継いできた人々の「心」に触れることができた。
 
階下の食堂には、中西氏の写真集なども販売されていた。

 
 
木造の渡り廊下を歩いて展示販売の部屋へと向かった。
畳の広間二部屋続きの広い空間は縁側まで活用され、様々なコーナーがあった。
 
●西表島いやしろち
天然石や化石などのアクセサリーは、デパートでの沖縄展というビルの中の空間より、やはり自然に近い空間がよく似合う。 

 
●様々な手仕事
画像上段:京都、宮古島、沖縄本島など、様々なところの作家による手仕事の品々。
画像下段:与那国島のよはな民具の草民具と、雑貨さくらの与那国織のスタンドライト。

石垣島の草木染め手織り作家の当銘光子さんのストールもあった。
 
●伝統的な工芸品
紅型や宮古上布、琉球王朝から続く銀細工の「金細工またよし」の帯留め。
やちむんや、「現代の名工」熊谷フサ子氏の琉装・ドゥジンとカカンなども。

 
この日は、中西氏の写真トークギャラリーの後、国家資格和裁士も持つチンノーヤー(琉装を縫う人)・熊谷フサ子氏による講演「琉球王朝から続く琉装とその世界」もあった。
講演中、女性の琉装に用いる衣類の一つであるカカンについて、興味深いお話があった。
「カカンは“布のへそくり”である」と。
宮城文による「八重山生活誌」には、士族の女性の衣装としてカカンが紹介されている。
カカンというプリーツの入った腰巻状のものは、普段着で反物幅の布が5~7枚、晴れ着では9枚~11枚、時に13枚が使われていたと書かれているらしい。
そして、赤ちゃんの肌着はそこから一枚外して肌着にしたとのこと。
かつて布は糸から手作りの貴重品だったことがうかがえるエピソードだった。
 
(ドゥジン[八重山ではスディナ]とカカンの琉球舞踊衣装 : やいまーる外電記事「竹富町施行70周年記念公演 沖縄県竹富町 島々の民俗芸能『世乞い』」より )

 
 
お腹が空いたので早めの夕食でも、と、食堂へ向かう。
「波照間島もちきびのとろとろまーじん丼」というものを頼んでみた。
ウチナーグチでもちきびのことを「マージン」と言うらしい。
肉・魚だけでなく卵や乳製品など動物性食品を一切使わないヴィーガン料理で、もちきびは少ししっかり目の味付で硬めのおかゆ状態に調理され、鶏肉入りホワイトソース風の役割でご飯の上に乗っていた。

デザートにドラゴンフルーツと旬のスターフルーツ。
沖縄や八重山の工芸品、そして、美しい庭を見ながらの食事は、極上の時間。
 
浮島ガーデン代表の中曽根直子さんによると、来年もぜひ実施したいと考えているとのこと。
ぜひ実現してほしいものだ。
 
 
【おしらせ】
中西康治さんの作品は、今月、石垣島でも見ることができる。
 
中西康治写真展「ATARAXIA(アタラクシア)」
2019年10月1日~10月27日 10時~19時  ホテルエメラルドアイル石垣
 
●中西康治写真展「しまのひ」 
 2019年10月29日~12月27日 11時~21時  石垣島ホテルククル 1階
 
 
【参考】
過去に、袋中上人による日琉交流の歴史について学ぶイベントが開催されていたようだ。

「京都・檀王法林寺開創400年記念  琉球と袋中上人展 -エイサーの起源をたどる-」

文化庁ホームページ 文化庁月報 平成23年10月号(No.517) 
 
九州国立博物館ホームページ

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