やいまーる外電

「明和の大津波」がモチーフとなったミュージカルが上演される

「星砂のマーメイド」
会期:2019年7月6日(土)、7日(日)
会場:クレオ大阪中央ホール(大阪府)
主催:劇団アカレンガ


近畿にある八重山関係の郷友会の組織の一つである「関西やいまー会」が、明和の大津波をテーマにしたミュージカルに特別出演を果たした。
「関西やいまー会」は、踊りや三線、郷土料理等の伝承を主な活動としており、様々なイベントで踊りを披露している。
会場には出演しなかったメンバーや、近畿八重山郷友会の集まりで見かける方々の姿もあった。

 

大阪で活動をしているミュージカル劇団アカレンガによる13回目の公演「星砂のマーメイド」は、24世紀の男女2名の調査員が18世紀のあの明和の大地震が起こる少し前に石垣島へとタイムスリップし、ハプニングに巻き込まれてしまうという物語。
漁網にかかったダイビングウェアとフィンを装着したヒロイン香織は、人魚と間違えられ捕らえられてしまう。
運命を変えてはいけないために村人とは接触しないという決まりがあったにもかかわらず、接触せざるを得ない状況の中、時代を超えた人々の心のふれあいや様々な思い、大地震の津波が来る前後の様子が描かれる。
同時に海の中に暮らす人魚たちの世界も描かれ、大津波の時に二つの世界が交差する。


パンフレットにはまた、次のような人魚にまつわる記述もあった。
—–
「野原村」(現在は消失)には4この大津波から生まれたとされる人魚の伝説が残っています。
現在は「星野」という集落が「人魚伝説の村」として存在します。
—–
 
 
「関西やいまー会」のメンバーは、近々凄惨な自然災害が起こるとはまったく知らない村人たちが無邪気に浜辺で歌い踊る場面で、「マミドーマ」を踊った。
 
 (画像提供:劇団アカレンガ)

終演後、近くでパンフレットを見ながら、「あの人たちは雰囲気が違った」と感心したように語る声がした。
演技ではなく、素で踊る姿から八重山の雰囲気が漂っていたのだろうと想像した。
 
 (画像提供:劇団アカレンガ)
  
ミュージカル団員は、子どもからシニアまで幅広い年齢層で、圧倒的に女性が多く、男性役や人によっては1人二役など見事にこなしていた。
オリジナル曲とクラッシク曲に歌詞をつけた様々な曲が舞台を盛り上げた。
津波のシーンでも美しい音楽と演者の表現は柔らかく穏やかな構成であったが、筆者は東日本大震災を思い出し、涙腺崩壊だった。
 
あの日はちょうど都内にいて、感じたことのない大きな揺れが、おさまりかけたかと思うとまた大きくなることを繰り返しながら揺れ続けた。
打ち合わせで一緒にいた人とともに放心状態になり、しばらくはただただ怖かったという気持ちをお互いに吐露して支えあった。
かなり時間が経過してから、事の把握をするためにその施設にあったテレビのコーナーに行き、東北の町が大津波に飲み込まれていく生中継を見て恐怖で身体が硬直した。
そんなことを思い出した。
 
 
ミュージカルでは、人の心のありようや、絶望の淵から立ち直る力強さも表現されていた。
あわせて、災害の恐ろしさとそれに対する備えの大切さをあらためて感じた作品でもあった。
「今を生きる」ことの大切さを、ミュージカルに打ち込む人々の姿から教わった作品でもあった。
 
 (画像提供:劇団アカレンガ  フィナーレの様子)

 
 
【参考】
明和の大津波で多くの人々が命を失った記録が、石垣市のホームページにも紹介されている。
 
「~石垣島の風景と歴史~ 34.石垣島の日本一・世界一その3 津波の波の高さ」石垣市教育委員会市史編集課

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