期間:2018年2月2(金)
場所:大阪第一ホテル(大阪府)
沖縄県酒造組合は、平成29年度内閣府「沖縄型産業中核人材育成事業」を受託し、「泡盛フレーバーホイールを用いたブレンドマーケッター人材育成プログラム」を昨年9月から半年間の予定で実施している。
沖縄県内の17酒造所から20名が参加し、泡盛の酒質の評価方法やマーケティングなどについて学んできた。
今回の「泡盛試飲会&新商品企画発表会」は、その事業の一環として開催された。
研修生は営業やブレンダーなど様々な職種だという。
本イベントの最後にいただいた資料で確認したところ、八重山からも2社の社員がこの事業に参加しているようだ。
【関連ニュース記事】
◇「業界の宝が切磋琢磨!泡盛フレーバホイールを用いたブレンドマーケッター人材育成プログラム始動」
(2017年9月28日 泡盛新聞)
http://awamori-news.co.jp/2017_09-08_blend-marketer-using-awamori-flavor-wheel-human-resource-development-program-started/
◇「泡盛新時代に突入!!泡盛フレーバーホイールの達人成長中!(沖縄県酒造組合)」
(2018年1月29日 泡盛新聞)
http://awamori-news.co.jp/2017_12-08_fostering-master-of-awamori-flavor-wheels/
まずは、沖縄県酒造組合・玉那覇美佐子会長より、本事業についての主旨などの説明がなされた。
参加者の中には、近畿泡盛同好会や京都泡盛同好会の役員、関西在住の「泡盛マイスター」と呼ばれる資格の保持者、泡盛好きの人など、様々な人たちがいるようだった。
参加者は、第1部のプレゼンターによる新商品企画発表会、第2部の試飲会の評価者役を担うことになっていた。
【第1部:新商品企画発表会】
社名を伏せた19名の研修生が、各々新商品の企画をプレゼンした。
現場で得たお客さんの声や反応から発案したもの、斬新なアイデア、自社や自身の職種の強みを活かしたもの、地域活性化も視野に入れたプラン、新たな泡盛ファン獲得がねらいの案など、様々な視点からの新しい泡盛の企画案が次々と発表された。
フロアからは積極的な質問や意見、アドバイスがなされた。
評価基準には、企画の良し悪しや、「売れると思うか」、「飲みたいと思うか」などがあった。
評価は好みの問題なのと小ぢんまりとした会だったので、評価者からの票は割れたのではなかろうかと想像した。
【第2部:試飲会】
ここでも社名・銘柄は伏せた状態で評価が行われた。
19名それぞれが、自社の既存の泡盛に商品コピーを作り、参加者はそれを読みながら味わい、コピーや味についての評価をしながらブースをまわる。
参加者が各ブースを周りながら、そこかしこで研修生に第1部のプレゼンの感想を伝えたり、双方が活発な意見交換、情報交換をしている様子が見て取れた。
泡盛の飲み方は、ストレート、水割り、ブースによってはお湯割りでの味わいの提案がなされていた。
好みで炭酸割りのリクエストもできた。
味わいだけでなく、香りにも着目してほしいというアピールが印象的だった。
あるブースに小さな縦長のお猪口のようなやちむん(沖縄の焼物の器)3種類に同じ泡盛が注がれていたのだが、そのお猪口の形がみんな違う。
器によって香りの立ち方の違いがあることが実感でき、興味深かった。
帰り際にお土産の資料をいただいた。
中には、第2部の各ブースの会社、商品の一覧や、組合が出している泡盛マメ知識がぎっしり詰まった小冊子などが入っていた。
八重山から参加している2社の一般的に売られている泡盛はどちらも口にしたことがあったが、この第2部で試飲したものは二つとも初めて味わった。
内地ではなかなか手に入りにくそうだ。
お取り寄せという手もあるが味気ないので、今度旅したときに現地の酒屋を訪ねて自分の足で探してみようと思う。そんな旅もまた楽しい。
小冊子の中には、泡盛に関する様々な情報があり、新しい発見・学びもあった。
泡盛の歴史や、なぜタイ米で作るのかということや、食事の際の飲み方の提案、様々なカクテルのレシピ・・・。
普段は、気分や体調によって水割りかロック、寒い日はお湯割り、古酒はストレートかロックと飲み方のパターンが決まってしまっている。
この会に参加して、香りと器のことをもう少し意識してみようと思ったり、たまにはカクテルもよさそうだし、これなら泡盛にあまりなじみのない友人にも勧められるかな、などと考えた。
あらためて泡盛は、様々な割り方・飲み方で楽しめるお酒であり、濃度の調節も飲む人に合せられる優れものだと認識できた。
筆者自身の泡盛の楽しみ方も広がりそうだ。
最後に、泡盛になじみが少ない人たちに、小冊子の中から最も紹介したいと思ったマメ知識をば。
(画像は、沖縄県酒造組合発行の小冊子「琉球泡盛」より)
「泡盛は低カロリー。糖質ゼロ、プリン体ゼロ」なのだそうだ。
沖縄県酒造組合のホームページ「泡盛百科」には、「泡盛は血液サラサラにする効果も(他のお酒よりも)期待できる」という情報もある。
http://www.okinawa-awamori.or.jp/health/02.html
全泡盛酒造所の商品情報も見られるので、ぜひ参考にされてはいかがだろうか?