「宮良ゆうなさん・断さん作品展『八重山便り』、晩秋の京都にて開催」

●八重山便り2023

会期

2023年11月22日(水)~27日(月) 11時~17時

会場

桜谷町47ギャラリー(京都府)
 

 
京都の哲学の道の桜やモミジが赤く色づくこの時期、恒例の宮良ゆうなさん・断さん姉弟のアンパル陶房による「八重山便り」と題した陶器の作品展が今年も開催された。
 
生まれ育った宮良農園(石垣島)や周辺にある風景、海、生き物や植物を見て育ったお二人の中に育まれた感性が作品ににじみ出ている感じがした。
 

 

 
●宮良ゆうなさん
 

 
今回は、これまでの海を題材にした作品から、木々や植物などを題材にした作品へと転換。
また、以前から創っていた動物の置物も、ヒパーチを加えていたりアカショウビンが大きい動物の背中に乗っているなど、八重山の自然が作品の中にうまく取り入れられている。
 
天然の葉で模様を付けた器は、自然界にある物がそうであるように一つとして同じ物はない一点物だ。
虫食いの葉もそのまま使い、お皿その物にも虫食いのように縁をわざと欠けさせてあり、真丸ではないお皿。
自然界での、様々な曲線が混ざり合いながら一つの風景を作っている様子が、皿の中にも見て取れた。
 

 

木漏れ日やスターフルーツをモチーフにした器などもあり、筆者は安らぎを感じた。
今まで以上に力を入れたという動物の置物たちには、デフォルメされたものも写実的なものもどちらも見ていて心が和んだ。
 
●宮良断さん
 

 
久しぶりに拝見したおなじみの八重山の水色と砂浜や珊瑚を彷彿させるような白の作品。
水色と白い粘土による模様が今までより複雑になっていた。
それはまるで、単純な作りの生き物がだんだん進化して複雑な身体を手に入れたようにも思えた。
 
会場に掲示されていた断さんのプロフィール中に次のような解説があった。
「透光性の年度で作ったセル『細胞』をつなぎ合わせて器を作る。
焼くと窯の中で、ひとつひとつのセルが膨らんだり、変形したり、気泡を出したりすることで、意図せず立ち現れてくる揺らぎのある造形」
 
筆者が感じたことはこういう点だったのかと合点がいった。
 

 
オオオニバスなど植物の葉の様相をそのまま器にしたものも印象的で、目を引いた。
一方で、黒い釉薬の無地の器は、幾何学的な直線・曲線で構成されていて、有機的な器とは対照的。
斷さんの様々な表現にふれることができた。
  
ゆうなさん、断さんの作品には、何か有機体というか生命体といったようなものの存在を感じることがある。
作品そのものが生き物のような感覚だ。
お二人が生まれ育った八重山の自然環境が、お二人の心身にしみわたっていて、それが作品の中にも流れ込んでいる、そんな感じにもなる時がある。
 
●「宮良断 パナリ焼復刻展」
 

 
また、同期間中、哲学の道の別のエリアのギャラリーでは斷さんのパナリ焼きの展示も開催されていた。
筆者がお二人の作品展に訪れたのが最終日の夕方だったため、そこで知ったこちらの展示会場に行った時は撤収時間になっていたため大きな物は片付けられていた。
が、何とかいくつか拝見する事ができた。
 
ギャラリースタッフの方にうかがうと、パナリ焼の大きな壷を海外からの旅行者が購入するなど、購入可能な作品のいくつかは誰かの手に渡って行ったようだった。
上の画像右下、パナリ焼の手のひらに乗るサイズの器は購入可能だった。
画像右上の花のような作品は、土台がパナリ焼で、花は透過性の粘土による断さん独特の色目の作品。
花は茎を持って抜くことができる酒器なのだそうだ。
また、こちらのギャラリー「若王子倶楽部 左右」では、画像中央下段の皿つき食器は今後も常設で取り扱っており購入できるとのこと。
関西に宮良断さんの常時取り扱いの店ができるのは、内地のファンにとっても嬉しいことだろう。
また来年、この時期に内地でお二人の作品にふれられる機会を楽しみにしていたい。
 

 


 
あまくまたーかー

 

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