写真家・南條明さん、京都にて石垣島北部(伊原間)のサンゴの写真展を開催


 
生命百景色 南條明写真展「サンゴ万年の願い」
 

日時

2023年9月15日~20日

会場

AMS写真館 ギャラリー 1.(京都市)

【南條明さんのホームページ】
 

   
石垣島在住の写真家・南條明さんが、このたび京都で写真展「サンゴ万年の願い」を開催した。
  


 
【南條さんと、定点撮影の対象のサンゴ】
 
 
南條さんは30代後半に沖縄本島へ移住しダイビング・インストラクターの経験を経て、3年前に石垣島に居を移した。
 
現在は、自然や伊原間のサンゴの定点観測の撮影などを行っている。
 
今回の写真展のテーマは、2022年に八重山諸島などで発生した深刻なサンゴの白化現象とその後の影響・変化をまとめたものだ。
 
定点観測の対象となったのは、伊原間(イバルマ)のミドリイシ科のサンゴの群生地。
 
展示は、2022年4月中旬~2023年6月中旬の期間を4つに分け、サンゴの健全な状態〜白化〜役割の変化(藻類の繁茂[はんも]、地形として役割の変化)を、時系列で追うことができる形になっていた。
 
それをコンパクトにまとめた動画のコーナーもあった。
 

 
 
ご本人が在廊されていたので、お話をうかがった。
 
石垣島への移住当初は、主に海の美しさや癒しを感じられる写真を撮っていた。
 
しかし、2022年の夏に八重山で深刻なサンゴの白化現象が発生。
 
初めて大規模なサンゴの白化を目の当たりにした時、その猛烈に変化していく様子にショックを受け、それをきっかけにサンゴの生命サイクルや海の環境に関心を持ち、撮影の対象が変わったのだそうだ。
 
昨年の夏、サンゴは健全な状態から、さまざまな原因(海水温の上昇や水質の悪化などにより)によってストレスを受けて、白化状態(サンゴと共生している褐虫藻が出ていく)となり、その後回復もないまま猛烈な勢いで変化していき海の砂漠化が進んだそうです。南條さんは胸が締め付けられるような気持ちで、時に泣きながら撮影したそうだ。
 
筆者もそのサンゴの急速な変化(死にゆくさま)から変更を、展示の写真と動画を見てショックを受けた。
 

【ギャラリーの外に、展示ダイジェストとしてこのような白化現象前後のプロセスを紹介する組み写真のパネルもあった】
 
一方で南條さんは、撮影を続けていく中で、今年の初夏ようやくサンゴの再生への兆しを感じれたという。
 
しかしまだまだ予断を許さない状況だそうだ。
 
昨夏、白化したサンゴがその群体内に白化の跡を残しながらも再生をして新しい生命(いのち)を産卵しているのを確認。
 
また役割を変えていったサンゴが波浪によって、根元から崩れ海底にひっくり返った光景を観た時、これもサンゴ礁を形成していく上でのいち光景であり、新たなサンゴが定着する場所になるかもしれない、と。 

今年の暑さも厳しかったのでその後のサンゴの状態についてうかがったところ、今年は台風が多く通ったため、海水温は去年ほど上がっていないとのこと。
 
伊原間のサンゴの白化と再生撮影を通して見守ることをテーマにして以来、他のサンゴの研究者や気象関係者などとも関わりが広がっているようで、「これからもサンゴの生態・生命の営み、そして石垣島の自然や海洋環境へ関心から『思いやり』を育んでいただけるような輪を世界に発信を続けいきたい」と気持ちを語っていた。
 
「もっとイキイキしたサンゴや海の様子も撮影しておけばよかった」、とも。」、海洋環境の急激な変化により、こんなにもサンゴの光景が劇変するとは想像もしていなかったのだそうだ。
 

【案内はがきやポスターになっていた作品。ひとつのサンゴの変化を一枚にまとめ、中心に再生の象徴であるサンゴの産卵の写真を添えた。今回の写真展の趣旨を物語っている一枚】
 
南條さんとお話ししていて筆者が感じたのは、「当たり前、永遠」と思っている環境が、突然失われることがあるかもしれない、ということ。
 
それは海の中だけでなく私たちの生きる環境にも当てはまる。
 
今年の6~8月は世界的に記録が残る1880年以来で最も暑かったと言われ、世界各地で熱波や台風の巨大化、洪水などの自然災害の報道も多く見聞きした。
 
暮らしの中で自分が環境のために何ができるのだろうか? と考えさせられたひと時でもあった。
 
子どものころから自然が好きだったという南條さんと、他の生き物のことや八重山の自然のこと、環境問題など、様々なお話もできた。
 
サンゴに関しては、種類によって卵の生み方が違ったり、幼生で生む種類もいるなどの話も興味深かった。
 
南條さんはこれからもサンゴの定点観測撮影を続けていくとのこと。
 
サンゴの変化と再生へのプロセスの撮影を続けて、また発表してくださる機会を楽しみにしていたい。
 

 


 
あまくまたーかー

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